執筆:福光潤 公開:2014/01/17 コメント(2件) |
Saving | Mr. | Banks |
↓ | ↓ | ↓ |
救うこと | ~氏 | バンクス(人名) |
⇒ バンクス氏を救うこと
⇒ 堅物銀行員バンクス氏を救済するために
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 2013年/アメリカ、イギリス、オーストラリア/映画/伝記、ヒューマン
- 監督:ジョン・リー・ハンコック(John Lee Hancock)
- 出演:エマ・トンプソン(Emma Thompson)、トム・ハンクス(Tom Hanks)、コリン・ファレル(Colin Farrell)、ポール・ジアマッティ(Paul Giamatti)
- 音楽:トーマス・ニューマン(Thomas Newman)
- 第86回アカデミー賞1部門ノミネート(作曲賞)!
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コラム
- 『メリー・ポピンズ(Mary Poppins)』(1964年)の映画化を持ちかけるウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)と、それを拒む原作者パメラ・トラバース(エマ・トンプソン)との物語。
トラバースが映画化をしぶしぶ承諾する方向へ動きだしても、アニメ使用を嫌ったり挿入歌にもダメ出しをしたりと製作は難航します。
いったい彼女のこだわりは何なのでしょうか?
- タイトル英語の出だしにくる単語「saving」は、動名詞としては「save すること」という意味で、副詞的用法の現在分詞として「save するために」という解釈も可能です。
「save」自体の意味は、「(危険から人や命を)救う」ですね。
データを救ったり(保存)、
お金を救ったり(節約)、
注意しないと失われそうな物事について使われます。
同じくトム・ハンクス主演の映画『プライベート・ライアン』の原題は『Saving Private Ryan』で、「ライアン二等兵の救出」という意味になります。
- 上の予告編動画にあるように、メリー・ポピンズは子供たちを救いにきたのではなく、その父親である堅物の銀行員バンクス氏(Mr. Banks)を実は救いに来たのだと。そして、メリー・ポピンズもバンクス氏も実在の人物、つまりパメラ・トラバースの叔母と父親なんだと。
どのようにバンクス氏を救うのかについては、映画を見て確かめてくださいね♪
- ちなみに、邦題『ウォルト・ディズニーの約束』の「約束」とは、ひとつには、ディズニーが娘からせがまれていつか『メリー・ポピンズ』を映画化してあげようと約束したことを指しています。
味わい深い原題『Saving Mr. Banks』をうまく和訳できたとしても、そのバンクスさんって誰? となるから、思い切って全く違う邦題に踏み切ったのでしょう。
だって、主演はディズニー役のトム・ハンクスさんでしょ? 映画の中にディズニーランドも出てくるんでしょ? だったら「ウォルト・ディズニー」を邦題に入れなきゃ! そしたら、めちゃくちゃ幅広い層から集客できちゃうよね! そんなマーケティング観点から、邦題が生まれるのでしょう…。
と、軽く書きましたが、ひょっとすると邦題の方が上手という可能性もあります。
なぜかというと、邦題『ウォルト・ディズニーの約束』の「約束」としてもうひとつの可能性が見えてくるからです。
トラバースは、映画『メリー・ポピンズ』を「Saving Mr. Banks」=「バンクス氏の救済」といった内容で描いてくれなきゃダメ! と、ディズニーと約束したんじゃないでしょうか。
そもそも、ウォルト・ディズニーの伝記映画じゃなくて、あくまでパメラ・トラバースの物語ですから。
パメラ・トラバースのこだわりは、そのような約束にあったのでしょう。
どのように約束するのかも映画を見て確かめてくださいね♪
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