執筆:福光潤 公開:2009/03/19 コメント(1件) |
邦題
利己的な遺伝子
- 別名:生物=生存機械論―利己主義と利他主義の生物学
ふりがな
りこてきないでんし
- 別名:せいぶついこーるせいぞんきかいろん りこしゅぎとりたしゅぎのせいぶつがく
英題
The Selfish Gene
意味
The | Selfish | Gene |
↓ | ↓ | ↓ |
(種類を示すラベル) | 利己的な | 遺伝子 |
⇒ “利己的遺伝子”
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 1976年/イギリス/本/自然科学、生物学、科学啓蒙、読んだフリ特集
- 著者:リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)
- 邦訳年:1980年(邦題:生物=生存機械論)、1991年(邦題:利己的な遺伝子)、2006年(邦題:利己的な遺伝子<増補新装版>)
- 翻訳者:日高敏隆、岸由二、羽田節子、垂水雄二
- イギリスで最も読んだフリをされた本ランキング第10位~2009年3月発表 by 世界本の日(World Book Day)主催団体
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コラム
- 「Gene(ジーン)」と聞くと、まず男子名「Eugene(ユージーン)」の愛称としてのジーンが思い浮かびます。
俳優名でいえば、ジーン・ハックマン(Gene Hackman)、ジーン・ワイルダー(Gene Wilder)、ジーン・ケリー(Gene Kelly)たちですね。
かといって、原題『The Selfish Gene』は『わがままなジーン』といっているワケじゃありません。
『わがままな遺伝子』、つまり『利己的な遺伝子』ということです。
『わがままな遺伝子』、つまり『利己的な遺伝子』ということです。
「selfish(わがままな)」という人の性格表現を、あえて「gene(遺伝子)」という科学用語に付けています。
1970年代当時にしては、かなりのヒット路線狙いの書名ですね!
1970年代当時にしては、かなりのヒット路線狙いの書名ですね!
- 著者リチャード・ドーキンス博士の研究分野は、生物学(biology)の中の動物行動学(enthology)、そして、進化生物学(evolutionary biology)です。
書名は『利己的な遺伝子』とやわらかい感じですが、学術界では“利己的遺伝子”というふうに硬い印象の6字熟語で呼ばれます。
英語では、どちらも「the selfish gene」。
The Selfish Gene=
利己的な遺伝子(邦訳書名)
the selfish gene=
利己的遺伝子(学術用語)
- 生き残りをかけて、遺伝子たちが立ち上がる!
人間の体は、所詮、遺伝子たちの乗り物だぜ!
より快適なマシンがあれば、乗り換えるかも!
アトム、ドラえもん、HAL9000、T-800、ASIMO…
アンドロイドよ! 更なる進化を待ってるぜ!
SFファンは、そう過激に解釈しがちですが、
“利己的遺伝子”という命名のせいでしょう。
自分の意思でふるまう遺伝子ってワケでなく、
淘汰理論を簡単に説明するための比喩にすぎません!
- 無神論者(atheist)であるドーキンス博士が、アメリカ同時多発テロ事件の9.11をきっかけに書きはじめた本があります。
『神は妄想である―宗教との決別(The God Delusion)』(2006年)
これまた凄いタイトルですが、世界的なベストセラーになりました!
お友達だったSF作家の故ダグラス・アダムス(『銀河ヒッチハイク・ガイド』の著者)に捧げられています。
SFファンは、ここでまた、過激な解釈をしたくなります。
神が妄想である一方、自己チューな遺伝子の方が現実っちゅうたら、やっぱり人類は遺伝子軍団に滅ぼされてしまうんちゃうやろか?
この妄想は、『利己的な遺伝子』という書名のせいでしょう。
そして、NHKスペシャルなどで、ドーキンス博士の語り+ナレーターの深刻そうな未来への警鐘を聞かされるせいでしょう。
なにより“読んだフリ遺伝子”が利己的に増殖するのが危険!
せめて、ウィキペディアの詳しい概論だけは読んでおかねば!
(英語が厳しいなら、左の「日本語」をクリック)
そうすれば、利己的遺伝子たちと明るい未来が築けそうです♪
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