
| 執筆:加藤由佳  公開:2017/07/12 コメント(3件) | 
邦題
女王陛下万歳
ふりがな
じょおうへいかばんざい
英題
God Save the Queen
発音
 ゴっ(どぅ)セいv£ぁくウィーん
 ゴっ(どぅ)セいv£ぁくウィーん| 
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意味
| God | Save | the | Queen | 
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | 
| 神 | 守る | その、特定の | 女王 | 
⇒ 神よ、女王を守りたまえ
⇒ 女王陛下万歳
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
 
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コラム
- いかにも国歌らしい堂々としたメロディーが魅力的な『女王陛下万歳』。イギリスだけでなくニュージーランドやジャージー島、ガーンジー島、ノーフォーク島でも歌われるなど、広く愛唱されている歌と言えるかもしれません(ちなみにニュージーランドには独自の国歌がありますが、第1番は英語ではなくマオリ語で歌うのだとか)。
 
- ところで、その『女王陛下万歳』の英題である『God Save the Queen』には、英語学習者をドキッと、またはニヤッとさせるところがあります。
 『God Saves the Queen 』で、『神は我らが女王を救う』じゃないの?
 と、心の声が聞こえてきそうです。普通に読んだら、「God」は3人称単数であるという理由から、「Save」のところが「Saves」になるはずだから。
 しかし、「God Save the Queen」は間違った英文などでは決してありません。あの偉大なるイギリスの国歌ですもの、タイトルからして間違えるなんてことはありえないわけです。でも、それでは、どうして「Saves」ではなく「Save」になっているのでしょう?
 
ヒントは、「God Save the Queen」の先頭でかくれんぼしているあの助動詞にあり! そのかくれんぼ中の助動詞とは ⇒ 
「may」です。
そう、「God Save the Queen」は本来ならば、
May God Save the Queen
May God Save the Queen
となるはずなのです。助動詞である「may」をつけているので、動詞の「save」も活用なしの原形のままとなっています。
- また、ここで新たな疑問が生じますよね。なぜ「may」が動詞「save」の直前ではなく文頭に来ているのか、という疑問です。疑問文でもないのに、助動詞が一番先に来るなんておかしいじゃないかと思ってしまいそうですよね。
 しかし、ここにもれっきとした理由があります。「may」は、「~かもしれない」という可能性や「~してもよい」という許可を表す助動詞として知られていますが、「~でありますように」という祈願の意味も持っているのです。有名な例文を挙げるなら、映画『スター・ウォーズ』の名台詞があります。
 §台詞引用
 May the force be with you.
 フォースと共にあらんことを
 Be動詞がそのまま原形になっているわかりやすい例でしょう。
 そのため、「God Save the Queen」の意味も「神が女王を守ってくれる」ではなく、「神よ、女王を守りたまえ」が正解。つまり、『女王陛下万歳』を歌っているイギリス人は神様が女王を守ってくれると信じて歌っているのではなく、「どうか神様が私たちの女王を守ってくださりますように」とお祈りしながら歌っているというわけです。ちなみに、『女王陛下万歳』を女王(または国王)が歌うことはないのだとか。
 
- そのほか、祈願文として助動詞の「may」が省略されるケースとして、以下のような文もあります
 God save America.
 アメリカに神の恵みあれ
 God bless you.
 あなたに神の加護がありますように※英語圏では、くしゃみをした人に「God bless you!」と声を掛ける習慣があります。
 いずれにせよ、英語らしい格調の高さが感じられる表現と言えそうです。なにかの折にさっと言えたら格好いいかも。
 
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