執筆:福光潤 公開:2018/09/02 コメント(1件) |
邦題
プルートで朝食を
ふりがな
ぷるーとでちょうしょくを
英題
Breakfast on Pluto
発音
ぶRェっくふぁすとんぷルーとぅ
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意味
Breakfast | on | Pluto |
↓ | ↓ | ↓ |
朝食 | ~での | 冥王星 |
⇒ 冥王星でとる朝食
⇒ (『ティファニーで朝食を』風に)冥王星で朝食を
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 2005年/アイルランド、イギリス/映画/ドラマ、コメディ
- 監督:ニール・ジョーダン(Neil Jordan)
- 原作:パトリック・マッケーブ(Patrick McCabe)
- 出演:キリアン・マーフィ(Cillian Murphy)、リーアム・ニーソン(Liam Neeson)、ローレンス・キンラン(Laurence Kinlan) ほか
- あらすじ:アイルランドの小さな町で、教会の前に捨てられた赤ん坊パトリック。生みの親は姿をくらまし、近所のブレイデン家がパトリックをひきとる。パトリックは、幼いころから化粧やドレスに興味を見せ、まわりから変わり者あつかいされる。美しい青年に成長したパトリックは、自ら「キトゥン」と名乗り、カミングアウト。やがて、居場所のない田舎町を飛びだして、実の母親を尋ねてロンドンへと向かうのだが…。
- 上記映画の原作本(未邦訳)
- 上記映画タイトルの元ネタ楽曲(サントラ収録曲)
- 1969年/イギリス/音楽/フォーク
- 作詞・作曲:ドン・パートリッジ(Don Partridge)、アラン・ヤング(Alan Young)
- 歌・演奏:ドン・パートリッジ
- 全英チャート最高第26位!
★映画『プルートで朝食を』の予告編+主演インタビュー動画(YouTube)
8秒目で『Breakfast on Pluto』が発音されます。
★書籍『プルートで朝食を』のレビュー動画(YouTube)
1分33秒目で『Breakfast on Pluto』が発音されます。
★楽曲『プルートで朝食を』のライヴ動画(YouTube)
2分8秒目で『Breakfast on Pluto』が発音されます。
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コラム
- 英題中の「Pluto」は、ミッキーマウスの愛犬でもなく、浦沢直樹コミック作品タイトルでもなく、太陽系のはずれにある「冥王星」という意味。
オールディーズ楽曲『Breakfast on Pluto』がヒットした1969年も、小説『Breakfast on Pluto』が書かれた1998年も、映画『Breakfast on Pluto』が公開された2005年も、まだ冥王星が惑星と見なされていた頃。
太陽系のいちばん外側をまわる「Pluto(冥王星)」に、主人公の疎外感をなぞらえたタイトルでしょうね。
映画公開の翌2006年に、国際天文学連合(IAU)総会で冥王星が「惑星(planet)」から「準惑星(dwarf planet)」に格下げされ、冥王星の疎外感がさらにハンパなくなりました。
そんな太陽系の超端っこにある冥王星で朝食をとる、という意味のタイトル英語ですが、なぜ「で」が「on」なのか? 元ネタと思われるタイトル『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』(1958年原作小説、1961年映画化)では「at」なのに。
- 学校では「on」=「~の上で」と習ったと思います。しかし、どんな場面でも「on」を解釈できるようにするには、「~にくっついて」という接触状態を「on」の基本イメージとして覚えておくとよいです。
We live on Earth.
われわれは地球という惑星で暮らしています。
足が地面(=地球)にくっついているから「on」。ビルや飛行機の中にいても、地球の重力に引っ張られているので、宇宙スケールで考えると、地球にくっついているといえます。
映画原作小説の元ネタとなった曲『Breakfast on Pluto』の歌詞では、「Finding our breakfast on Pluto(冥王星で朝食を見つける)」というふうな表現がなされています。
♪歌詞引用
Up on the moon
We'll all be there soon
Watching the earth down below
We'll journey to Mars
And visit the stars
Finding our breakfast on Pluto
月面に降り立とう
みんなもあとからやってくる
地球を眼下に見下ろしながら
そこから火星へ旅立とう
先には星の海が広がっている
冥王星では朝食が待っている(飛訳:福光潤)
冥王星の登場が唐突な感じもしますが、「below(びロう)」と脚韻を踏むのに最適な「Pluto(ぷルーとぅ)」が選ばれたのかもしれません。
- ここで、3つの前置詞のイメージをまとめておきます。
at ~ | ~の点で |
in ~ | ~の中で |
on ~ | ~にくっついて |
場所をあらわす前置詞の代表格は、「at」ですね。
I waited for him at the restaurant.
レストランで彼を待った
この「at」は、地図上の地点をイメージすればよいでしょう。近所の牛丼屋でもなく、駅前のカフェでもなく、国道沿いのファミレスで、という感じ。『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』の「at」もこのイメージです。
もし、建物の外じゃなくて中だと言いたいなら、「in」または「inside」をつかいます。
I waited in/inside the restaurant till the rain stopped.
雨がやむまで、レストラン(の中)で待った。
もし、建物にくっついているのであれば、「on」の出番です。
Spider-Man waited for his enemy on (the wall of) the restaurant.
スパイダーマンは、レストラン(の壁にくっついた状態)で敵を待ち構えた。
I waited for him at the restaurant.
レストランで彼を待った
この「at」は、地図上の地点をイメージすればよいでしょう。近所の牛丼屋でもなく、駅前のカフェでもなく、国道沿いのファミレスで、という感じ。『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's)』の「at」もこのイメージです。
もし、建物の外じゃなくて中だと言いたいなら、「in」または「inside」をつかいます。
I waited in/inside the restaurant till the rain stopped.
雨がやむまで、レストラン(の中)で待った。
もし、建物にくっついているのであれば、「on」の出番です。
Spider-Man waited for his enemy on (the wall of) the restaurant.
スパイダーマンは、レストラン(の壁にくっついた状態)で敵を待ち構えた。
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