執筆:福光潤 公開:2005/11/12 コメント(2件) |
邦題
金閣寺
ふりがな
きんかくじ
英題
The Temple of the Golden Pavilion
発音
£ぁテんぽらv£ぁゴうどぅんぱVィりえん
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意味
The | Temple | of | the | Golden | Pavilion |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
特定の | 寺院 | ~の | 特定の | 金の | パビリオン、あずまや |
⇒ ゴールデン・パビリオン寺院
⇒ 金で飾られた舎利殿で有名な寺院
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 1956年/日本/本/小説、文学
- 著者:三島由紀夫(Yukio Mishima)
- 翻訳者:アイヴァン・モリス(Ivan Morris)
- 第8回(1956年度)読売文学賞受賞!
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コラム
はい、ども~! ボケ役のタイトルでーす!
ツッコミ役のエイゴでーす!
2人そろって、「タイトルエイゴ」でーす!
「Japanese Hemingway」って、誰やと思う?
え、ファーストネームが「Japanese」なん?
ちゃうちゃう、「日本のヘミングウェイ」!
魂のピアニスト?
それは、フジコ・ヘミングさん!
・
・
・
はい、答えは三島由紀夫ですね。
1966年9月2日号の米誌『ライフ(Life)』で特集された際に「Japanese Hemingway」として紹介されています!
三島の代表作と名高い長編小説『金閣寺』は、実際に起きた「金閣寺放火事件」をテーマに、美に対するアンビバレンスと戦後社会への苛立ちを描き出した昭和文学。
読んだ方も未読の方も、Wikipediaで概要を把握し、NHK『100分 de 名著』で小説の鑑賞ポイントを確認してから、ぜひ洋書にチャレンジしてみてください。
Amazonトップレビューに「原文の難解さが和らぐ翻訳版」とあるように、たしかに英語の方が読みやすいです。
- 「金閣寺(Kinkaku-ji)」の正式名称は「鹿苑寺(Rokuon-ji)」で、あの有名な建物だけでなく鹿苑寺の寺院全体を指す呼び名です。
そして、有名なあの建物は鹿苑寺内の舎利殿のことで、通称「金閣」と呼びます。
公式サイトの英語版を見ると、「Kinkaku-ji」と「the Kinkaku-ji Golden Pavilion」というふうに表記されています。
それにしても「Golden Pavilion」とはたいそうな訳語ですねぇ~!
「金閣寺」という日本語もカッコいいですが、「ゴールデン・パビリオン寺院」とカタカナ混じりに言えば、「パルテノン神殿」にも劣らぬ堂々たる響き!
カタカナ語の「パビリオン」といえば、万博などの博覧会会場に設営される展示館をイメージするのではないでしょうか。
東京ディズニーランドのプラザパビリオン・レストランでもお馴染みの響きです。
「Pavilion」は、競技場などに見られる大型テントや、建物から突き出ている張り出した部分を指す建築用語でもあるため、豪華な建物の雰囲気を伝える英単語といえます。
一方で、「東屋(あずまや)、亭(ちん)」を指す英単語でもあり、眺望や休息のために庭園内に建てられた小屋を意味します。
日本語の「閣」が「立派な御殿」なので、「閣 ⇒ pavilion」となったのも納得。
つまり、「金の閣の寺」とバラして英訳すると、英題『The Temple of the Golden Pavilion』となるわけですね。
- 邦題『金閣寺』という3文字が、英題『The Temple of the Golden Pavilion』という6ワードに倍増しています。
これじゃ同時通訳者や吹替え翻訳者は困ってしまいます。
でも、ご安心を。
英訳版には、たった3ワードに短縮された言い方が、有名な冒頭箇所に出てきます。
§引用(冒頭行)
Ever since my childhood, Father had often spoken to me about the Golden Temple.
(原文)幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。
そう、「the Golden Temple(金寺)」です。
金閣寺ウェブサイトの英文版では「the Golden Pavilion」が短縮形として使われていますが、残念ながら「the Golden Temple」の表記は見当たりません。
現地のパンフレット英語版もチェックしてみたいところです。
金閣寺に限らず、日本の史跡を訪れたときは、ぜひ英文パンフも入手して英訳を気にしてみてください。
国内旅行中にでも英語学習できること請け合い!
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