執筆:福光潤 公開:2008/10/10 コメント(2件) |
邦題
老人と海
ふりがな
ろうじんとうみ
英題
The Old Man and the Sea
発音
£ぃオぅ(どぅ)メァんなん£スィー
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意味
The Old Man | and | the Sea |
↓ | ↓ | ↓ |
主人公の老人 | と | 舞台となる海 |
⇒ 老人と海(そのまま!)
⇒ 老漁師サンチャゴが、メキシコ湾で巨大なマカジキと対決!
⇒ 海に出てから、1匹も捕れない日々が続き、85日目の正午、ようやく餌に食いついたのは、生涯最大のマカジキだった! 巨大マカジキを仕留めたあとの帰路で、サメの攻撃に遭い、しまいには頭と尻尾の骨だけを引っぱって、港に帰り着く。海岸にいる観光客たちには想像しえない、老人と海の物語!
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 1952年/アメリカ/本/小説、海洋、対決、孤独
- 著者:アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)
- 翻訳者:福田恒存
- 1953年、ピュリッツァー賞(Pulitzer Prize)を受賞!
- 1954年、ノーベル賞(Nobel Prize)を受賞!
- 上記作品の映画化
- 1958年/アメリカ/映画/ヒューマン
- 監督:ジョン・スタージェス(John Sturges)
- 原作:アーネスト・ヘミングウェイ
- 出演:スペンサー・トレイシー(Spencer Tracy)
コラム
- 英題『The Old Man and the Sea』の中には「the」が2つあります。
まず「the」付きの「old man」は、キューバ人老漁師を指しています。
名は「サンチャゴ(Santiago)」。
いっぽう「the」付きの「sea」は、キューバ沖合のメキシコ湾のことです。
そんな「the」について少し考えてみましょう。
英文法には、初登場の名詞に「a/an」をつけて、2回目以降には「the」をつけるという基本ルールがあります。
なつかしいですね。
このルールは間違ってはいませんが、部分的な考え方でしかありません。
それなら、続編でないかぎり作品タイトルに「the」を入れちゃダメということになりかねませんからね。
実は、「the」は、こんなメッセージを発しています。
まわりをよう見てみぃや!
オレの後ろにおるやつが、
何を指したがってんのか、
ちゃんとわかるはずやで!
このメッセージが「the」のいちばん言いたがっていることです。
小説タイトル『The Old Man and the Sea』中の2つの「the」は、これから読むストーリーに登場する特定の「old man」と特定の「sea」のことをあらかじめ特別扱いしています。
ふつうの「old man」や「sea」とは一味ちがうで! という意味です。
「the」が出てきたら、無意識に対象が把握できるように、でなければ、意識的にまわりを見まわすようにしましょう!
- オトコどうしの会話で、
Hey, old man!
のように呼びかけると、「おい、おまえか!」といった親しみ表現になります。
「old」は、「年齢を重ねた」なら「年老いた」であり、「付き合い年数を重ねた」なら「親しみのある」です。
どちらも、年輪を重ねた人生の味わいが感じられます。
- サンチャゴが戦う相手は、巨大なマカジキ(marlin)です。
メカジキを意味するタイトル英語『ソードフィッシュ』で、このマカジキにも少し触れていますので参照しておいてください。
- 最後に、邦題『老人と海』にちょっと似ている有名な英文解釈用の例文をご紹介します。
The old man the boat.
これは1つの英文です。
意味は、わかりますか?
英文読解力アップしたい方は、ぜひチャレンジ!
答え+禁断の英文法を使った解説+重要メッセージ ⇒
問題文となる「The old man the boat.」は、大文字でスタートし、ピリオドで終わるので「文」です。
その文構造を見抜くために、主語+動詞(すなわち、S+V)の骨格をハッキリさせましょう。
The old | man | the boat. |
↓ | ↓ | ↓ |
S:主語 | V:動詞 | O:目的語 |
S=「The old」=「老人たちは」
※「old people(老人一般)」の文語表現
V=「man」=「~に乗り組む」
O=「the boat」=「その船」
→ 老人たちは、その船に乗り組む。
いいかえると、
→ The boat is manned by the old.
その船の乗員は老人たちである。
こんなにわかりにくい英文は、スピーキングやリスニングでは嫌われますが、リーディングでは出てきてもおかしくありません。
どんなに難しい英文でも、それを読み解くスキルやセンスは、すべてコレ↓が基本になっています。
★“英文読解は、S+V探しから”
翻訳の仕事も、S+V探しに始まり、S+Vチェックで終わります。
> 《1》「ザ・善い」=「善良な人々」⇒「善人」
>
> 「the + 状態・性質をあらわす単語」で、
> その状態・性質をもつ人の集合を指します。
> つまり、「the good」=「good people」。
『若死にするのは善人だけ』で解説した↑の英文法事項をちゃんと記憶していても、「S+V探し」の重要さを知らなければ、うまく活用できないかもしれません。
たとえば、今回の問題文のSが「The old」であると判断する根拠に使え、「man」の動詞としての意味を知らなくても、Vが「man」だと想像できます。
重要メッセージというのは、
★“英文読解は、S+V探しから”
ということです。
※文法アレルギーの方の目に付かぬよう、コソコソ解説しています(^^;)
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