
| 執筆:加藤由佳  公開:2017/11/03 コメント(1件) | 
邦題
グレート・プリテンダー
ふりがな
ぐれーとぷりてんだー
英題
The Great Pretender
発音
£ぁぐRェい(とぅ)ぷrぃテんどぅr
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意味
| The | Great | Pretender | 
| ↓ | ↓ | ↓ | 
| 特定の | 偉大な;大した | ふりをする人(嘘つき) | 
⇒ 偉大なる嘘つき
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 1956年/アメリカ/音楽/R&B、ドゥーワップ
- 作詞・作曲:バック・ラム(Buck Ram)
- 歌・演奏:プラターズ(The Platters)
- 全米チャート最高第1位、全英チャート最高第5位!
- 上記曲のカバー(邦題『ザ・グレート・プリテンダー』)
- 1987年/イギリス/音楽/ポップ・ロック
- 歌:フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)
- 全英チャート最高第4位!
 
★『グレート・プリテンダー』のMV動画(YouTube)
10秒目等で『The Great Pretender』が発音されます。
★『グレート・プリテンダー』のMV動画(YouTube)
19秒目等で『The Great Pretender』が発音されます。
 
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コラム
- 今回のタイトル英語『The Great Pretender(グレート・プリテンダー)』は、プラターズ(The Platters)によるゆったりとしたロマンチックなメロディーが魅力的な一曲。しかし、メロディーのロマンチックさとは裏腹に、その世界観はちょっぴり、いや、かなりビターです。では、どれくらいビターなのか、これから一緒にひも解いていきましょう!
 
- まずは、「the great pretender」の「pretender」は、動詞「pretend(~のふりをする)」の名詞形で、代表的な意味は「~のふりをする人(a pretender to ~)」です。ですが、そのほかにも「嘘つき」「詐称者」や「不当な要求をする人」という意味もあります。プラターズ版ではどんな意味で使われているのか、歌詞をチェックしてみましょう♪
 ♪歌詞引用(冒頭)
 Oh yes, I'm a great pretender
 Pretending I'm doing well
 My need is such
 I pretend too much
 I'm lonely but no one can tell
 ああ、僕はそう振舞っているだけさ
 調子が良いふりをしているのさ
 そうしなければやっていけないのだけれど、
 僕はカラ元気を張りすぎてしまうんだ
 孤独にさいなまれているのに誰もそれに気づかない(加藤による試訳)
 これだけ見ると、「pretender」は「~のふりをする人」で正解のようです(あらためて、「pretender」って日本語に訳すのが難しい単語だと思い知らされました)。が、これだとイメージがあまり明確ではないので、もう少し続けます。
 ♪歌詞引用(第2連、フレディ・マーキュリー版)
 Oh yes, I'm a great pretender
 Adrift in a world of my own
 I play the game but to my real shame
 You've left me to dream all alone
 ああ、僕はそう振舞っているだけさ
 自分の殻の中をフラフラさまよいながら
 全力で戦ってはいるが、情けないことに、
 君が去ってから、一人で夢見るだけの生活(加藤による試訳)
 ここまで読むと、恋人に去られて本当は悲しくて仕方がないのに、世間に対してはあえて強がっている人の姿が浮きあがってきます。そう、「強いふりをする人」ということなのです。愛する人を失って辛いけれど、何事もなかったかのように演じなければならない……。それは確かにとても辛そうです^^;
 そして、「すごい」または「とんでもない」「ひどい」といったネガティブな意味もある「great」を「pretender」につけて「great pretender」とすることにより、自分がいかに「ひどく強がっている人」かということを強調しています。本当に辛そうです(涙)。できるだけ早く、この男性が破局の苦しみから解放されんことを!
 
- ちなみに、「pretender」という単語には、実は「王位を狙う者(=a pretender to the throne)」という意味もあります。たとえば、18世紀にイングランド・スコットランドの王位を主張したジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート(James Francis Edward Stuart)は、「The Old Pretender(老僭王)」と呼ばれていました。
 タイトル仙人:
 ジェームズのニックネーム「The Old Pretender」には「King(王)」が入っとらんのに、「老僭王」とは優しい日本語訳! さらに王位主張を引き継いだ息子チャールズは「The Young Pretender(若僭王)」! プラターズならぬプリテンダーズと呼ばれてしもたら、王位があるふりをした残念な親子やったんかぁ、と思われて可愛そうやん。。。
 1701年王位継承法のせいで、本来なら即位していたジェームズの前途は閉ざされ、異母姉のアンが女王に即位(陰謀?)。ジェームズは必死にイングランド+スコットランド王を自称したものの、アン女王が両国を統一して「グレートブリテン王国(Kingdom of Great Britain)」の女王に即位!(追撃?)
 そこでジェームズが一言。
 「なんじゃこりゃあ! グレートブリテンだあ?!」
 
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