執筆:福光潤 公開:2004/10/30 コメント(2件) |
邦題
何かが道をやってくる
ふりがな
なにかがみちをやってくる
英題
Something Wicked This Way Comes
発音
サん(む)θィん(ぐ)ウィきっ(どぅ)£ィすウェいカん(む)ず
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意味
Something | Wicked | This Way | Comes |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
何か | 邪悪な | こちらの方へ | 来る |
⇒ 邪悪な何かが、こちらの方へ来る
⇒ 何か邪悪なものが、こちらの方へ向かって来る!
⇒ カーニバルが来てから何だか不思議なことが起こっている!
⇒ こちらの方へ忍び寄ってくる邪悪な存在に、親子の愛情と友情で立ち向かう、幻想冒険ドラマ!
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 1962年/アメリカ/本/小説、SF、ファンタジー
- 著者:レイ・ブラッドベリ(Ray Bradbury)
- 翻訳者:大久保康雄
- 上記小説の映画化
- 1983年/アメリカ/SF、ファンタジー、ディズニー
- 原作・脚本:レイ・ブラッドベリ
- 監督:ジャック・クレイトン(Jack Clayton)
- 出演:ジェイソン・ロバーズ(Jason Robards)、ジョナサン・プライス(Jonathan Pryce)
- 音楽:ジェームズ・ホーナー(James Horner)
★『何かが道をやってくる』の映画化作品の予告編動画(YouTube)
2分48秒目で『Something Wicked This Way Comes』が発音されます。
★『何かが道をやってくる』を歌詞に含むMV動画 by ブラッドベリの大ファンであるコメディ女優レイチェル・ブルーム(YouTube)
2分22秒目等で『Something Wicked This Way Comes』が発音されます。
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コラム
- レイ・ブラッドベリのハロウィーン小説といえば『ハロウィーンがやってきた(The Halloween Tree)』ですが、今回の『何かが道をやってくる』も万聖節前夜(すなわちハロウィーン)に物語が始まっています。
面白いタイトル英語なので、さっそく見ていきましょう!
まず、英題を1つの文のように書いてみます。
Something wicked this way comes.
あれ? 何だか少し変じゃありませんか?
Something wicked comes this way.
と、本来は書くべきところでしょう。
実は、こんなふうに副詞句(this way)の位置をずらすと、言葉のリズムが変わって新鮮味を出せるんです!
と同時に、本来の意味のリズムが崩れて意外な展開を期待させることができます!
Something | 何か(なに?) |
↓ | |
wicked | 邪悪な(こわっ!) |
↓ | |
this way | こちらへ(え、こっちに? どうしたん?) |
↓ | |
comes. | 来るのだ~!(うわっ! こっちに来るん? 逃げろ~!) |
もし本来の英語の語順だと、どうなるかご覧ください。
Something | 何か(なに?) |
↓ | |
wicked | 邪悪な(こわっ!) |
↓ | |
comes | 来る(あ、そう、来るんやね) |
↓ | |
this way. | こちらへ~!(うん、こっちやんね、はいはい!) |
ま、極端に冷めた反応になってしまったかもしれませんが(笑)、タイトル英語の語順ほどハラハラ感は出ていません。
通常の語順であれば、次に何が来るのかが大雑把に予測でき、安心して読めます。
が、通常の語順を崩された日には、不安で不安でたまらなくなり、じわじわとハラハラ感が湧いてきませんか?
『Something Wicked This Way Comes』は、そんなツカミと余韻が抜群な語順入れ替えタイプの英題といえるでしょう!
通常の語順であれば、次に何が来るのかが大雑把に予測でき、安心して読めます。
が、通常の語順を崩された日には、不安で不安でたまらなくなり、じわじわとハラハラ感が湧いてきませんか?
『Something Wicked This Way Comes』は、そんなツカミと余韻が抜群な語順入れ替えタイプの英題といえるでしょう!
- 一方、主部となる「something wicked」は一瞬ひっくり返ったようにも見える語順ですが、ちゃんと英文法にのっとった並びとなります。
英語には、
形容詞は名詞の前に置く
というルールがあります。
でも、次のような代名詞に形容詞を付けるときは後ろ側となります。
形容詞は「some/any/no/every+thing/one/bodyで成り立つ英単語」の後に置く
前者のルールで「wicked man / wicked thing」のような「邪悪な人・物」を主語にするより、後者の例外的な語順の「something wicked=何だか邪悪なもの」の方が、邪悪な忍び寄り感が出ているはず!
- 最後に、邦題中の「道」は、幻想的な小説の雰囲気をよく表していますね。
おそらく「way」に相当する日本語として使われているのでしょう。
しかし英語では、「this way」のまとまりで「こちらの方向へ」という意味の副詞句となります。
Step this way, please!
こちらへどうぞ!
また、目で見る方向を指して言うだけでなく、「こんなふうに」のように見えない方向性についても言えます!
Write this way!
こんなふうに書いてみて!
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