執筆:福光潤 公開:2006/03/11 コメント(1件) |
邦題
マーズ・アタック!
ふりがな
まーずあたっく
英題
Mars Attacks!
発音
マーrざテァっくす
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意味
Mars | Attacks! |
↓ | ↓ |
火星 | 攻める、襲撃する |
⇒ 火星が攻撃する!
⇒ 火星人、襲来ス!
(火星から火星人が攻めてきた!)
作品
- 1996年/アメリカ/映画/SF、コメディ
- 製作,監督:ティム・バートン(Tim Burton)
- 音楽:ダニー・エルフマン(Danny Elfman)
- 出演:ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)、グレン・クローズ(Glenn Close)、アネット・ベニング(Annette Bening)、ピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)、ダニー・デヴィート(Danny DeVito)、マーティン・ショート(Martin Short)、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)、マイケル・J・フォックス(Michael J. Fox)、トム・ジョーンズ(Tom Jones)、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)、ジャック・ブラック(Jack Black)
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コラム
- 奇才ティム・バートンが描くB級お笑い地球侵略ムービー『マーズ・アタック!』の英題は『マーズ・アタック!』です。
一見、単にカタカナ語にしただけの邦題に見えます。
でも、原題の方がアルファベット1文字分だけ多くないですか?
そう、最後の「-s」です。
もし「attacks」が「攻撃」という意味の名詞「attack」の複数形だったら、「火星からの一連の攻撃」という意味になるところです。
しかし、ネイティブ感覚からすると、これは英字新聞の見出しのごとく『火星、攻撃する』と解釈する方がしっくりくるようです。
つまり、「攻撃する」という意味の動詞「attack」に3単現(3人称単数現在形)の「-s」が付いているのです。
映画予告編からも、名詞句ではなく「S+V」の文として発音されていることが聞き取れますよ(2分1秒目)。
- 英字新聞・英文記事の見出しといえば、いくつか特殊なルールがあります。
その中でも1番目にくるのがコレ!
《過去のことでも現在形を使う》
現在形を使うことで、目の前で起こっているかのように報道できます。
日本語の記事見出しも同様です。
たとえば、
火星人が、お台場に現れました!
という過去形よりも、
火星人、お台場に現る!
という現在形の方が臨場感たっぷりで、見出しっぽくもなりますよね?
映画タイトル『マーズ・アタック!』を耳にすることがあれば、英題の最後に3単現の「-s」があることを思い出すようにしてください。
この「-s」があるから現在形なんだな、だから見出しっぽいんだな、と。
そして声に出して、英語の発音で『Mars Attacks』(マーズ・アタック“ス”)と読みます。
すると戦時中の新聞1面ヘッドライン
火星人、襲来ス
みたいな雰囲気が味わえます!
- さらに、アメリカのオタクなネイティブ感覚からすると、映画の元ネタであるトレーディングカード(Trading Card)を思い出すようです。
野球カードの元祖であるチューインガムメーカーのトップス(Topps)が、1962年に『Mars Attacks』(ビックリマーク無し)というネーミングのトレーディングカードを発売。
1962年といえばアメリカがキューバ危機に怯えた年でもあります。
大人たちが冷戦の恐怖を身近に感じはじめる一方、火星人との攻防を刺激的に描くSFイラストカードを片手に興奮しながらガムをクチャクチャ噛むアメリカの少年たちが目に浮かびます。
その後、ジョージ・オーウェルが近未来世界の恐怖を描いたディストピア小説『1984年』のタイトルと同じ年に『Mars Attacks』の復刻版が発売されたのは偶然ではないと思います。
1993年にはトレーディングカードゲーム(Trading Card Game)の元祖『マジック:ザ・ギャザリング(Magic: The Gathering)』が人気を博し、トレーディングカード需要が高まったので、『Mars Attacks』も再リリースやフランチャイズ化が相次ぎます。
1962年といえばアメリカがキューバ危機に怯えた年でもあります。
大人たちが冷戦の恐怖を身近に感じはじめる一方、火星人との攻防を刺激的に描くSFイラストカードを片手に興奮しながらガムをクチャクチャ噛むアメリカの少年たちが目に浮かびます。
その後、ジョージ・オーウェルが近未来世界の恐怖を描いたディストピア小説『1984年』のタイトルと同じ年に『Mars Attacks』の復刻版が発売されたのは偶然ではないと思います。
1993年にはトレーディングカードゲーム(Trading Card Game)の元祖『マジック:ザ・ギャザリング(Magic: The Gathering)』が人気を博し、トレーディングカード需要が高まったので、『Mars Attacks』も再リリースやフランチャイズ化が相次ぎます。
- 1994年『Mars Attacks Archives』
- ※Archive=アーカイヴ=保管資料
- 1996年『Mars Attacks!』
- ※今回のタイトル英語の映画
- 2012年『Mars Attacks Heritage』
- ※Heritage=ヘリティッジ=遺産
- 2017年『Mars Attacks: The Revenge!』
- ※Revenge=リヴェンジ=逆襲
トレーディングカード『Mars Attacks』は1950年代の宇宙人侵略テーマのB級SF映画にインスパイアされたとのこと。
同様に、『原子怪獣現わる(The Beast from 20,000 Fathoms)』(1953年、アメリカ)や『ゴジラ(Godzilla)』(1954年、日本)からインスパイアされた『Dinosaurs Attack!』がToppsから1988年に発売。
この『Dinosaurs Attack!』も、現在形の見出し風です。
こちらは、主語の「Dinosaurs(恐竜たち)」が複数なので、3単現の「-s」は付いていません。
映画タイトル『マーズ・アタック!』とあわせて、トレーディングカードタイトル『Mars Attacks』+『Dinosaurs Attack!』も覚えておいてくださいね!
同様に、『原子怪獣現わる(The Beast from 20,000 Fathoms)』(1953年、アメリカ)や『ゴジラ(Godzilla)』(1954年、日本)からインスパイアされた『Dinosaurs Attack!』がToppsから1988年に発売。
この『Dinosaurs Attack!』も、現在形の見出し風です。
こちらは、主語の「Dinosaurs(恐竜たち)」が複数なので、3単現の「-s」は付いていません。
映画タイトル『マーズ・アタック!』とあわせて、トレーディングカードタイトル『Mars Attacks』+『Dinosaurs Attack!』も覚えておいてくださいね!
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