執筆:加藤由佳 公開:2016/09/18 コメント(1件) |
邦題
ヒア・アット・ザ・メイフラワー
ふりがな
ひああっとざめいふらわー
英題
Here at the Mayflower
発音
ヒrあっ£ぁメいfラぅわr
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意味
Here | at | the | Mayflower |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
ここ | ~で | ある特定の | メイフラワー(マンションの名前) |
⇒ ここメイフラワーで
⇒ ここメイフラワーにて
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 2001年/アメリカ/音楽/ポップ、AOR、ジャズ
- バリー・マニロウ(Barry Manilow)の19thアルバム名
- 歌:バリー・マニロウ
- プロデュース:バリー・マニロウ、デイビッド・ベンソン(David Benson)
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コラム
- バリー・マニロウ(Barry Manilow)といえば、1970年代にラテン風の雰囲気あふれる『コパカバーナ(Copacabana)』をヒットさせた歌手。『コパカバーナ』のほかにも『涙色の微笑(Can't Smile Without You)』や『歌の贈りもの(I Write the Songs)』などのヒット曲があり、いずれもバリーならではの美声を楽しめます。
当時は正統派美声と長身・細身のルックスで歌のお兄さん的なイメージもあったバリー・マニロウですが、今回ご紹介する『Here at the Mayflower』をリリース(2001年)したのは58歳のとき。まだまだ美しいけれど、少し枯れて哀愁のある歌声は、文化の秋にぴったりかもしれません。
- さて、今回のタイトル英語『Here at the Mayflower』で注目したいのは、「here at ~」という表現です。単に「at the Mayflower」だけなら「メイフラワーで」というふうに場所を示します。これに「here」を付け足して「here at the Mayflower」とすることで、「ここメイフラワーで」のように場所の指定をさらに強調します。
アルバム『Here at the Mayflower』の冒頭に収録されている『Elevator Operator: Do You Know Who's Livin' Next Door?』(「エレベーターオペレーター:隣に誰が住んでいるか知っているか?」という意味)にも、「here at ~」という表現がちょくちょく登場しています。
♪歌詞引用
So many windows, so many walls
Double lock-doors, down carpeted halls
Somebody's crying, somebody calls
Do you know who's livin' next door?
Here at the Mayflower
Here at the Mayflower
たくさんの窓に、たくさんの窓
二重錠のドアに、カーペットの敷かれたホール
誰かの泣く声が聞こえる、また誰かが電話する声も
隣に誰が住んでいるか知っているだろうか?
ここ「メイフラワー」で
そう、ここ「メイフラワー」で(加藤による試訳)
「私は~にいる」と表現する場合、その場所が比較的ピンポイントである場合は「I'm at ~」、一方で広範囲に及ぶ場合(国や市など)は「I'm in ~」と言います。それぞれ強調すると、「I'm here at ~」「I'm here in ~」となります。
また、「right here at the Mayflower」と、「right」をプラスして「まさにここ『メイフラワー』で」と、強調を深めている部分もあります。
このアルバムや歌詞には登場しないものの、
Here at Title-Eigo, you can read many articles about interesting English titles.
ここ『タイトル英語』では、おもしろい英題についてのたくさんの記事を読めます。
というように、ある場所に関するアナウンス表現として用いられることもあります。
いつもの「at ~」に「here」を足すだけですが、こんなにもニュアンスが変化するのですね。
- ところで、タイトル英語やアルバムに登場する「the Mayflower」はバリー・マニロウが考案した架空のマンション名なのですが、その由来はアメリカ植民のスターター的存在であるピルグリム・ファーザーズ(Pilgrim Fathers)たちが乗っていた船「the Mayflower(メイフラワー号)」にあるのではないかな、と思います。アングリカン(Anglicans、イギリス国教会派の人々)からの宗教的自由を求めてアメリカに渡った彼らは、アメリカ人にとってはまさに自由の象徴。その彼らが使用した船の名前を架空のマンションの名前として採用するとは、バリーのウィットにもなかなかひねりが感じられます。
ちなみに、「mayflower」そのものは5月に咲く「イワナシ」というお花です。ピルグリム・ファーザーズが上陸したマサチューセッツ州の州花として愛されているそうです。
タイトル仙人:ピルグリム・ファーザーズとは懐かしいのぉ…、ここはタイトル仙人(?百歳)の出番やな。
タイトルや見出しに大文字始まりの英語は多いけど、地の文章でも大文字始まりなら、その単語は人名や地名のような特定名称やで。今回のタイトル英語では「Mayflower」。人名(例:Barry)や地名(例:America)には「the」は付けたらアカンけど、建物・施設名には「the」が付きやすい(例:the Sheraton)。さらに元ネタの「the Mayflower(メイフラワー号)」のような船舶名にも「the」が付く(例:the Titanic)。
そういえばボブ・ディランもメイフラワー号に同乗していたっけ…。
♪歌詞引用
I was riding on the Mayflower
俺はメイフラワー号に乗っていた~『ボブ・ディランの115番目の夢(Bob Dylan's 115th Dream)』より
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