執筆:福光潤 公開:2020/02/09 コメント(2件) |
邦題
ボウリング・フォー・コロンバイン
ふりがな
ぼうりんぐふぉーころんばいん
英題
Bowling for Columbine
発音
ボうりん(ぐ)fぉrカるんバいん
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意味
Bowling | for | Columbine |
↓ | ↓ | ↓ |
ボウリング | ~に対して責任を負う | コロンバイン(米国の地名) |
⇒ コロンバインに対して責任を負うボウリング
⇒ “コロンバイン高校銃乱射事件はボウリングのせいではないのか?”という説
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
- 2002年/アメリカ/映画/ドキュメンタリー、陰謀
- 監督:マイケル・ムーア(Michael Moore)
- 出演:マイケル・ムーア、チャールトン・ヘストン(Charlton Heston)
- 第75回アカデミー賞1部門(長編ドキュメンタリー映画賞)受賞!
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コラム
- 「こんなアメリカに誰がした」というキャッチフレーズで好評を博したマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』。
英題『Bowling for Columbine』をそのままカタカナ表記した邦題では、なんのことかサッパリわかりませんね。
まず「Columbine」は、アメリカの地名(アメリカ合衆国コロラド州ジェファーソン郡コロンバイン)ですが、1999年4月20日に起きた事件の代名詞にもなってしまいました。
Columbine High School massacre
コロンバイン高校銃乱射事件
(直訳:コロンバイン高校の虐殺)
コロンバイン高校に通う2人の生徒(毎日いじめにあっていた)が校内で銃を乱射。
生徒12名と教師1名を射殺した後、2人は自殺し、事件は終息。
- 次に「Bowling for ~」の意味です。
「ある目的のためのボウリング」や「誰かの代わりに投球すること」という解釈がありますが、「Columbine」につながりません。
「Bowling for ~」の意味を探るために、コロンバイン高校銃乱射事件の報道状況に目を向けてみましょう。
犯人の少年たちがメタルバンドのマリリン・マンソン(Marilyn Manson)を好んで聴いていたため、反キリスト教的で攻撃的なマンソンの音楽要素が犯行を促したとの理屈を、事件直後のメディアが並べ立てました。
一方、あまり目立たなかった2人が、体育のボウリング(Bowling)の授業にだけは欠かさず出席し、事件当日の朝もボウリングを2ゲームしていたという事実をつかんだマイケル・ムーア監督。
よくよく考えてみると、ボウリングは重い玉を思いっきりピンに当てて倒すスポーツ。
その暴力性が犯人たちに悪影響を与えたのではないか?
なぜその可能性に着目しないのか?
それがマイケル・ムーアのシニカルな視点・疑問点。
もちろん本気でボウリングが悪いと言っているのではないでしょう。
本当はアメリカの銃規制問題に切り込むべきなのに、それを避けるかのような報道姿勢に辟易している!
そんなマイケル・ムーアのメッセージがタイトル英語に込められているようです。
- 「Bowling for ~」の意味に戻りましょう。
タイトル英語イストでなくても「どういう意味だろう?」と悩んでしまう邦題&英題ですが、映画のラストシーンの台詞で意味が飛び込んでくるはず!
§台詞引用
In the end it all comes back to Bowling for Columbine.
結局すべては“コロンバインのボウリング”だ
この日本語字幕ではやっぱりサッパリわかりませんね。
しかし、映画の一貫したテーマを言い切ったその台詞の裏には、次のような英文が見え隠れしています。
Who is responsible for Columbine?
Who is to blame for Columbine?
コロンバイン事件は誰のせい?
さらにムーアの皮肉っぽい疑問文を畳み掛けてみましょう。
Bowling is responsible for Columbine?
Bowling is to blame for Columbine?
コロンバイン事件はボウリングのせいでは?
これを短くすると
Bowling for Columbine
という英題になります。
そして「Bowling for ~」の意味は「~に対して責任を負うボウリング」ということ。
結論:
タイトル英語『Bowling for Columbine』は、「“コロンバイン高校銃乱射事件はボウリングのせいではないのか?”という説」を意味する名詞句である。暗にアメリカ国民が銃規制問題から目をそらされている現状を指摘。
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