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日刊タイトル英語 第1001号 ブルーピリオド

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週刊タイトル英語  2021/10/17 第1001号
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青ペンで打った点じゃなく…ブルーの時代
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【邦題】

ブルーピリオド



【英題】

Blue Period



【発音】

発音+例文を、音声でどうぞ!
https://title-eigo.com/Database/BluePeriod#Hatsuon



【意味】

青い時代

ピカソの《青の時代》



【作品】

2017年~/日本/コミック/美術、青春
作者:山口つばさ(Tsubasa Yamaguchi)

2017年~、『月刊アフタヌーン』(講談社)連載

2021年~、TVアニメ放映(毎日放送・TBS系列)
 総監督:舛成孝二
 監督:浅野勝也
 脚本:吉田玲子

★ 予告編動画を見る?
https://title-eigo.com/Database/BluePeriod#WatchIt
1分23秒目で邦題が発音されます。



【コラム】

*主人公の矢口八虎(Yatora Yaguchi)は
不良ながらも優等生の高校生。

早朝の渋谷で感動した風景を
美術の課題制作で表現し、
絵画に目覚めます。

第1話に何度か「ピカソ展」のポスターが登場し、
その後もピカソの話題が出てきますが、
タイトルの由来に関係がありそうですよ。

実は「Blue Period」とは、
スペインの画家パブロ・ピカソ
(Pablo Picasso;1881年~1973年)が
親友の自殺にショックを受けてから
青っぽい絵を制作し続けた
特定の期間(1901年~1904年)を指します。

日本語は「青の時代」という訳語で
浸透しています。

 Blue Period = 青の時代

日本語の「青の時代」は、
三島由紀夫の小説タイトルや
KinKi Kidsの楽曲タイトルや
TVドラマタイトルなどに登場し、
本家のピカソから離れて
「不安な青春時代」が連想される
フレーズでもあります。

それを英語に変換した
カタカナ邦題『ブルーピリオド』は、
現代の画家を目指す青春群像劇には
ピッタリなタイトルですね。



*さて、覚えておくべき
タイトル英語のポイントは、

 period
  =(ある長さの特定の)
    時代、期間、授業の時間

です。


江戸時代なら

 江戸時代
   = Edo period
    (Tokugawa period)

となります。


ピカソの青の時代の後には、

 Rose Period
  =薔薇色の時代(1904年~1906年)

 African Period
  =アフリカ彫刻の時代(1906年~1909年)

などが続きます。

実際に英語で話したり書いたりするときには
「Picasso's Blue Period」や
「the Blue Period」と補足した方が
伝わりやすいと思います。



*他にも「period」は文の終わりに打つ
ピリオド(句点・終止符)を指します。
(この意味で「period」を使うのは
 アメリカだけで、イギリスでは
 「full stop」となります)

そのため、日本語コミックの表紙でも
『Blue Period.』というふうに
英語表記タイトルがピリオド止めされています。

一方、講談社USA(Kodansha USA)によれば
英題はピリオド無しの『Blue Period』です。
⇒ https://kodansha.us/series/blue-period/


たかがピリオド。

されどピリオド。


日本人にとっては
「ピリオド」という言葉の横に
記号の「ピリオド」を掛け言葉的に添えた
ナイスアイデアな装飾デザインであっても、
英語ネイティブには
「文末なのかな? 省略記号なのかな?」
などと解釈されてしまいます。

主語+動詞といった英文構造を成していない
フレーズにピリオドを打つのは、
意図的なデザインだと感じる前に
不自然さが勝ってしまうものです。

たとえば怪しい迷惑メールを開封して

「お客様。」

で始まっていたら

「そこに丸つけるんかい!」

と突っ込んでしまいますよね。

日本語に不慣れな書き手
または機械翻訳による
海外発信スパムだと
瞬時に把握できます。


ということで、英題は
ピリオド無しの『Blue Period』
となったのでしょう。



*ちなみに

『Blue Period Picasso』

という歌があります。

⇒ https://youtu.be/62_8urLKdQ8


スウェーデンのバンド、
ピーター・ビヨーン・アンド・ジョンが
2009年にリリースした5thアルバム
『Living Thing』に収録された楽曲です。

歌詞冒頭の
「I'm a blue period Picasso 
       stuck on a wall」は
「私は青の時代に描かれたピカソの絵、
  壁に掛けられている」という意味。

形容詞としての「Blue Period」をはさんで
「Picasso」に「a」が付いているので、
画家のピカソ本人を指すのではなく、
ピカソが制作した作品の方を指します。

 Blue Period Picasso
  = 青の時代に描かれたピカソの絵

そんな1人称視点の「絵」が
こんな場所から飛び出したい
と願う切ない歌です…。


他人の感動を生きるより、
自分の感動を生きたいと願う
『ブルーピリオド』主人公の
矢口と重なりませんか?


…詳しくは専用ページをお読みください♪



【ひとこと】

今月から放送開始したので録画しています。

受験が終わるまでお預け中の娘より
先に観てしまったので怒られるかも!

(芸大志望なら見るべきだけど…)

Omoinotakeのオープニングテーマ曲
『EVERBLUE』もいいですね♪

コミック『ブルーピリオド』第1巻は
Kindle版が無料でダウンロードできます!
https://amzn.to/3jcmPQr

(福光潤)



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