ホーム 無料メルマガ 日刊タイトル英語 第992号 金閣寺

日刊タイトル英語 第992号 金閣寺

まぐまぐ殿堂入りメールマガジン『日刊タイトル英語』

無料メルマガ『日刊タイトル英語』バックナンバー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
週刊タイトル英語  2021/05/09 第992号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
金の閣の寺というイメージがふくらむ英題
…………………………………………………


【邦題】

金閣寺



【英題】

The Temple of the Golden Pavilion



【発音】

発音+例文を、音声でどうぞ!
https://title-eigo.com/Database/TheTempleOfTheGoldenPavilion#Hatsuon



【意味】

ゴールデン・パビリオン寺院

金で飾られた舎利殿で有名な寺院



【作品】

1956年/日本/本/小説、文学
著者:三島由紀夫(Yukio Mishima)
翻訳者:アイヴァン・モリス(Ivan Morris)
第8回(1956年度)読売文学賞受賞!

★ レビュー動画を見る?
https://title-eigo.com/Database/TheTempleOfTheGoldenPavilion#WatchIt
23秒目等で英題が発音されます。



【コラム】

*タイトル:はい、ども~!
     ボケ役のタイトルでーす!

 エイゴ:ツッコミ役のエイゴでーす!

 タ&エ:2人そろって、
     「タイトルエイゴ」でーす!

 エイゴ:「Japanese Hemingway」
     って、誰やと思う?

タイトル:え、ファーストネームが
     「Japanese」なん?

 エイゴ:ちゃうちゃう、
     「日本のヘミングウェイ」!

タイトル:魂のピアニスト?

 エイゴ:それは、フジコ・ヘミングさん!

   ・

   ・

   ・

はい、答えは三島由紀夫ですね。

1966年9月2日号の米誌『ライフ(Life)』で
特集された際に「Japanese Hemingway」
として紹介されています!

三島の代表作と名高い長編小説『金閣寺』は、
実際に起きた「金閣寺放火事件」をテーマに、
美に対するアンビバレンスと
戦後社会への苛立ちを
描き出した昭和文学。

読んだ方も未読の方も、
Wikipediaで概要を把握し、
NHK『100分 de 名著』で
小説の鑑賞ポイントを確認してから、
ぜひ洋書にチャレンジしてみてください。

Amazonトップレビューに
「原文の難解さが和らぐ翻訳版」
とあるように、たしかに
英語の方が読みやすいです。



*「金閣寺(Kinkaku-ji)」の正式名称は
「鹿苑寺(Rokuon-ji)」で、
あの有名な建物だけでなく
鹿苑寺の寺院全体を指す呼び名です。

そして、有名なあの建物は
鹿苑寺内の舎利殿のことで、
通称「金閣」と呼びます。

公式サイトの英語版を見ると、
「Kinkaku-ji」と
「the Kinkaku-ji Golden Pavilion」
というふうに表記されています。


それにしても「Golden Pavilion」とは
たいそうな訳語ですねぇ~!

「金閣寺」という日本語もカッコいいですが、
「ゴールデン・パビリオン寺院」
とカタカナ混じりに言えば、
「パルテノン神殿」にも劣らぬ堂々たる響き!


カタカナ語の「パビリオン」といえば、
万博などの博覧会会場に設営される展示館を
イメージするのではないでしょうか。

東京ディズニーランドの
プラザパビリオン・レストラン
でもお馴染みの響きです。

「Pavilion」は、
競技場などに見られる大型テントや、
建物から突き出ている張り出した
部分を指す建築用語でもあるため、
豪華な建物の雰囲気を伝える
英単語といえます。

一方で、「東屋(あずまや)、亭(ちん)」
を指す英単語でもあり、眺望や休息のために
庭園内に建てられた小屋を意味します。

日本語の「閣」が「立派な御殿」なので、
「閣 ⇒ pavilion」となったのも納得。

つまり、
「金の閣の寺」とバラして英訳すると、英題
『The Temple of the Golden Pavilion』
となるわけですね。



*邦題『金閣寺』という3文字が、英題
『The Temple of the Golden Pavilion』
という6ワードに倍増しています。

これじゃ
同時通訳者や吹替え翻訳者は
困ってしまいます。

でも、ご安心を。

英訳版には、
たった3ワードに短縮された言い方が、
有名な冒頭箇所に出てきます。


§引用(冒頭行)

 Ever since my childhood, 
  Father had often spoken to me 
   about the Golden Temple.

 (原文)幼時から父は、
  私によく、金閣のことを語った。


そう、
「the Golden Temple(金寺)」です。


金閣寺ウェブサイトの英文版では
「the Golden Pavilion」が
短縮形として使われていますが、
残念ながら「the Golden Temple」
の表記は見当たりません。

現地のパンフレット英語版も
チェックしてみたいところです。

金閣寺に限らず、
日本の史跡を訪れたときは、
ぜひ英文パンフも入手して
英訳を気にしてみてください。

国内旅行中にでも
英語学習できること請け合い!


…詳しくは専用ページをお読みください♪



【ひとこと】

2021年5月に4回シリーズで
『金閣寺』を読み解く
NHK『100分 de 名著』に合わせて、
タイトル英語を配信してみました!

               (福光潤)



スポンサーリンク


無料メルマガ『日刊タイトル英語』登録

日刊タイトル英語まぐまぐ殿堂入り!

語学・資格>英語>初心者向け

★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

発行周期 毎週日曜夕方
マガジンID 0000138615
 |    

『日刊タイトル英語』紹介に戻る




  



↑ ページトップへ