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日刊タイトル英語 第949号 ボウリング・フォー・コロンバイン

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日刊タイトル英語  2020/02/09 第949号
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風→桶屋が儲かる、ボウリング→銃乱射?!
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【邦題】

ボウリング・フォー・コロンバイン



【英題】

Bowling for Columbine



【発音】

発音+例文を、音声でどうぞ!
→ https://title-eigo.com/Database/BowlingForColumbine#Hatsuon



【意味】

コロンバインに対して責任を負うボウリング

“コロンバイン高校銃乱射事件は
ボウリングのせいではないのか?”という説



【作品】

2002年/アメリカ/映画/
 ドキュメンタリー、陰謀
監督:マイケル・ムーア(Michael Moore)
出演:マイケル・ムーア、
 チャールトン・ヘストン(Charlton Heston)
第75回アカデミー賞1部門
 (長編ドキュメンタリー映画賞)受賞!

★ 予告編動画を見る?
https://title-eigo.com/Database/BowlingForColumbine#WatchIt
1分47秒目で英題が発音されます。



【コラム】

*「こんなアメリカに誰がした」
というキャッチフレーズで好評を博した
マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画
『ボウリング・フォー・コロンバイン』。

英題『Bowling for Columbine』を
そのままカタカナ表記した邦題では、
なんのことかサッパリわかりませんね。


まず「Columbine」は、アメリカの地名
(アメリカ合衆国コロラド州
 ジェファーソン郡コロンバイン)ですが、
1999年4月20日に起きた事件の
代名詞にもなってしまいました。

 Columbine High School massacre
 コロンバイン高校銃乱射事件
 (直訳:コロンバイン高校の虐殺)

コロンバイン高校に通う2人の生徒
(毎日いじめにあっていた)が
校内で銃を乱射。

生徒12名と教師1名を射殺した後、
2人は自殺し、事件は終息。



*次に「Bowling for ~」の意味です。

「ある目的のためのボウリング」や
「誰かの代わりに投球すること」
という解釈がありますが、
「Columbine」につながりません。


「Bowling for ~」の意味を探るために、
コロンバイン高校銃乱射事件の
報道状況に目を向けてみましょう。


犯人の少年たちがメタルバンドの
マリリン・マンソン(Marilyn Manson)を
好んで聴いていたため、反キリスト教的で
攻撃的なマンソンの音楽要素が
犯行を促したとの理屈を、
事件直後のメディアが並べ立てました。

一方、あまり目立たなかった2人が、
体育のボウリング(Bowling)の
授業にだけは欠かさず出席し、
事件当日の朝もボウリングを
2ゲームしていたという事実を
つかんだマイケル・ムーア監督。

よくよく考えてみると、
ボウリングは重い玉を思いっきり
ピンに当てて倒すスポーツ。
その暴力性が犯人たちに
悪影響を与えたのではないか?
なぜその可能性に着目しないのか?

それがマイケル・ムーアの
シニカルな視点・疑問点。

もちろん本気でボウリングが悪い
と言っているのではないでしょう。

本当はアメリカの銃規制問題に
切り込むべきなのに、
それを避けるかのような
報道姿勢に辟易している!

そんなマイケル・ムーアのメッセージが
タイトル英語に込められているようです。



*「Bowling for ~」の意味に戻りましょう。

タイトル英語イストでなくても
「どういう意味だろう?」
と悩んでしまう邦題&英題ですが、
映画のラストシーンの台詞で
意味が飛び込んでくるはず!

§台詞引用
In the end it all comes back to Bowling for Columbine.
結局すべては“コロンバインのボウリング”だ

この日本語字幕では
やっぱりサッパリわかりませんね。

しかし、映画の一貫したテーマを
言い切ったその台詞の裏には、
次のような英文が見え隠れしています。

Who is responsible for Columbine?
Who is to blame for Columbine?
コロンバイン事件は誰のせい?

さらにムーアの皮肉っぽい疑問文を
畳み掛けてみましょう。

Bowling is responsible for Columbine?
Bowling is to blame for Columbine?
コロンバイン事件はボウリングのせいでは?

これを短くすると

Bowling for Columbine

という英題になります。

そして「Bowling for ~」の意味は
「~に対して責任を負うボウリング」
ということ。


結論:

タイトル英語『Bowling for Columbine』は、
「“コロンバイン高校銃乱射事件は
 ボウリングのせいではないのか?”
 という説」を意味する名詞句である。


…詳しくは専用ページをお読みください♪



【ひとこと】

アメリカ銃社会の歴史と闇を
淡々と見せてくれる
満足度の高い映画でした。

米国は銃で死ぬ人が
年間1万1千人超(他国は3桁まで)
というデータにビックリ!

当時全米ライフル協会会長だった
チャールトン・ヘストンが
悪者扱いされてしまっているのが
ファンとしてはなんとも残念。

(福光潤)



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