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日刊タイトル英語 第875号 ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン

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 こんにちは! タイトル英語イストの福光です♪

 本日は、昨日のイギリス国歌と同名異曲。

 ちょっと物騒な内容の歌ですが、

 勇気を出していってみよう!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
日刊タイトル英語        2017/07/17(月)第875号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
1977年に放送禁止されたワケ、2016年に放送されたワケは?
………………………………………………………………………


【邦題】ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン



【英題】God Save the Queen



【発音】
        ▼     ▼      ▼
    (米国)ゴっ(どぅ)セいv£ぁくウィーん

    (▼を強く、平仮名は適当に読む)
    (「v」は、上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴ」)
    (「£ぁ」は、舌が上の歯の裏1mm上空で、「ざ」と「だ」の間)

  ★ 発音+例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/GodSaveTheQueen-SexPistolsSong#Hatsuon



【意味】

    [God] [Save]    [the]     [Queen]
     ↓   ↓      ↓       ↓
     神  (罪から)  その、特定の  女王
         救う

  ⇒ 神よ、女王を救いたまえ

  ⇒ 救いようのない女王をどないかして!



【作品】

    1977年/イギリス/音楽/パンク、ロック
    作詞・作曲:ジョニー・ロットン(Johnny Rotten)、
          スティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)、
          グレン・マトロック(Glen Matlock)、
          ポール・クック(Paul Cook)
    演奏・歌:セックス・ピストルズ(Sex Pistols)
    1stアルバム『勝手にしやがれ!!(Never Mind the Bollocks, 
      Here's the Sex Pistols)』(1977年)からの2ndシングル曲
    全英チャート最高第2位!
    『ローリング・ストーン』誌
      オールタイム・グレイテスト・ソング500で175位!

  ★ MV動画を見る?
     └→ https://title-eigo.com/Database/GodSaveTheQueen-SexPistolsSong#WatchIt
        ※24秒目等で英題が発音されます。



【コラム】

  ⇒ 1977年のイギリスは、エリザベス2世の即位25周年に湧いていました。

    その前年には、ロンドンでセックス・ピストルズがデビューし、

    英国パンク・ロックが産声をあげたばかり。

    そんなタイミングで、イギリス女王のことを

    思いっきりボロカスにヤジってアジった歌が、

    この『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』です。


    原題『God Save the Queen』は、

    イギリス国歌『女王陛下万歳』の原題と同じです。

    まずは、昨日配信した『女王陛下万歳(God Save the Queen)』

    のコラム欄で、クリーンなタイトル英語解説を

    復習しておいてくださいね。



  ⇒ ここからは「explicit lyrics(不適切な表現を含む歌詞)」

    の域に入っていきます。


    §冒頭歌詞引用

     ┌─────────────────────────┐
     │God save the Queen                │
     │The fascist regime                │
     │They made you a moron               │
     │A potential H-bomb                │
     │                         │
     │神さんよ、女王を救ってくれへんか?        │
     │あんな独裁者気取り、ようついて行けへんわ     │
     │見てみぃ、あいつのせいで国民みんなアホばっかりやん│
     │水爆並みにアブない奴やで、ホンマどないかして   │
     └─────────────────────────┘
                         (飛訳:福光潤)


    こういったアナキズムの叫びが延々と続くため、

    イギリス公共放送局のBBC等で放送禁止処分となりました。



  ⇒ 時は流れて2016年、

    国民投票で欧州連合からのイギリス脱退

    (EU離脱、Brexit)が決まりました。そこで、

    保守党議員アンドリュー・ロージンデル(Andrew Rosindell)氏は、

    BBCに対してこのような要求をしました。

    EU離脱と女王90歳の誕生日を記念して、BBC放送終了時に

    国歌『God Save the Queen』を流す伝統を復活させよう、と。


    はいはい分かりました、要求にお応えしましょうと、

    BBCが流したのは、かつて放送禁止にしていた

    セックス・ピストルズ版『God Save the Queen』。
     └→ https://title-eigo.com/Database/GodSaveTheQueen-SexPistolsSong#WatchIt

    まさにパンクな神対応!



  ⇒ ちなみに、このピストルズ版『God Save the Queen』では、

    「save」が「守る」というより
     ^^^^
    「救う」のニュアンスになっています。
     ^^^^

    キリスト教の世界では、

     ┌─────────────────┐
     │God saves sinners from their sins.│
     │                 │
     │神は罪びとを罪から救う。     │
     └─────────────────┘

    という場面がたびたび語られます。

    つまり、キリスト教的な文脈において「save」が使われると、

    救われるべき人には罪があって当然

    ということがほのめかされやすいのです。

    セックス・ピストルズのボーカル、ジョニー・ロットンが、

     ┌─────────────────┐
     │自分は決して反キリスト者ではなく、│
     │むしろその対極の人間だった。   │
     └─────────────────┘

    と述べています。

    国歌のタイトル英語から罪の含意を

    想起せずにはいられなかったのかもしれません。


    同じ英題『God Save the Queen』であっても、

    国歌『女王陛下万歳』の方は

    「私たちの大切な女王様を艱難辛苦からお守りください」

    という好意的な願掛け。


    それに対し、ピストルズ版『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』は

    「罪びと女王の罪を並べたててみせるから、

    ひとつひとつ許してやってくれや。

    ほんなことゆうても、まあ救いようないやろけどな。

    神さん、後はよろしく!」

    といった反語的な断罪祈願に聞こえてしまいます。

    聞けば聞くほど。



【ひとこと】

    『タイトル英語』サイトが、

    スマホやタブレットでも読みやすくなりました!

    もしレイアウトが崩れているページがあったら教えてくださいね。

                               (福光)


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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発行周期 毎週日曜夕方
マガジンID 0000138615
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