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ご無沙汰しています、タイトル英語イストの福光です♪ 前号の発行から約半年、皆さんいかがお過ごしですか? 遂に、タイトル英語のチョモランマといわれる(by me) 『ノルウェーの森』に挑みます! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥* 日刊タイトル英語 2013/01/29(火)第798号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥* ノルウェーの森、じゃなくて木材だって?! ……………………………………………………………………… 【邦題】ノルウェーの森 【英題】Norwegian Wood (This Bird Has Flown) 【発音】 ▼ ▽ ▽ ▼ ▼ のーrウィーじゅんWゥっどぅ £ィすブr-どぅはずfロうん (▼を1番強く、▽を2番目に強く、小文字・平仮名は適当に読む) (「r」は舌を巻く) (「Wゥ」は、「ワ」の発音直前の唇を力強くすぼめながら、「ウ」) (「£ィ」は、舌が上の歯の裏1mm上空で、「ズィ」と「ディ」の間) (「f」は、上の前歯を下唇の内側に当てて、「ふ」) ★ 福光の発音+ヒラメキ例文を、音声でどうぞ!└→ https://title-eigo.com/Database/NorwegianWoodThisBirdHasFlown#Hatsuon
★ ポッドキャスト版(音声ブログ)は、こちら └→ http://www.voiceblog.jp/title-eigo/ 【意味】 [Norwegian] [Wood] [This] [Bird] [Has Flown] ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ノルウェーの 木材 この 鳥、娘 飛び去った ⇒ ノルウェーの木材(この鳥は飛んでった) ⇒ ノルウェーの木材を自慢していたあの娘は、去ってしまった 【作品】 1965年/イギリス/音楽/ロック 作詞・作曲:ジョン・レノン(John Lennon)、 ポール・マッカートニー(Paul McCartney) 6thアルバム『ラバー・ソウル(Rubber Soul)』収録 映画『ノルウェイの森』(2010年、日本)主題歌 ★ 歌の動画/予告編動画を見る?└→ https://title-eigo.com/Database/NorwegianWoodThisBirdHasFlown#WatchIt
【コラム】 ⇒ シタール(北インド発祥の弦楽器)の音が印象的なのに、 インドの雰囲気が感じられない、独特のメロディー音階♪ それにタイトルで「Norwegian=Norway(ノルウェー)の」 と言われたら、これがノルウェーっぽいサウンドなのか! と思っちゃいますよね。 いったい、ノルウェーの何が歌われているんでしょうか? さっそく具体的に見ていきましょう! ⇒ ナンパした女の子の部屋についていった or つれこまれた、 という場面で始まるジョン・レノンの浮気未遂ソングです。 彼女はジョンを部屋に案内しつつ、こう言って自慢します。 ♪歌詞引用 Isn't it good, Norwegian wood? いいでしょ、ノーウェジアン・ウッド(簡訳:福光潤) 「wood」といえば「木材」、「woods」だったら「森」です。 (「Woods」なら「Tiger Woods(タイガー・ウッズ)」^^) 「-s」のない「wood」が「森」を意味する場合もあるので、 邦題どおりに「ノルウェーの森」と解釈してみましょうか。 「Isn't it good?」の「it」が何を指すかで分けてみます。 ・壁に掛けてるノルウェーの森の写真、いいでしょ? ・ノルウェーの森をイメージした部屋、いいでしょ? ・いいよね、ノルウェーの森って。行ったことある? と、「森」説で考えると、唐突で漠然とした感じがします。 でも、「いいでしょ」と自慢するなら、持ち物の素材では? ・ノルウェーの木材で建てられたこの家、いいでしょ? ・内装にはノルウェーの木材使ってるの、いいでしょ? ・ノルウェー産の木製家具なんだよコレ、いいでしょ? ♪歌詞引用 Isn't it good, Norwegian wood? いいでしょ、ノルウェー産の木材なの(飛訳:福光潤) ポール・マッカトニーの談によれば、当時流行った ノルウェー木材=安価なパイン材のことだそうです。 彼女がオシャレな木材のインテリアを自慢している、 といった大雑把な解釈でいいんじゃないでしょうか。 他説では「knowing she would」をもじっているとか、 果ては「Norwegian Wood」という銘柄のお香だとか…。 ⇒ 副題の「(This Bird Has Flown)」は、 目覚めたら彼女がいなくなっていた、 という、最後の方で歌われる一文。 「bird」=「鳥」は、英国スラングとして、 若い女の娘やガールフレンドも指しますが、 「この鳥は飛び去った」で詩的に解釈可能。 「fly(飛ぶ)」は「fly - flew - flown」、 「flow(流れる)」は「flow - flowed - flowed」、 と変化しますが、プロ翻訳者も混同するパターンです。 「flew」だけじゃなく、「has flown」と言うことで、 「飛んでっちゃった!(まだ戻ってきていないし…)」 となり、今抱いている喪失感を含めることができます。 ⇒ タイトルも歌詞も解釈があいまいで難しいということで、 誤訳論争を引き起こしたことで有名な『ノルウェーの森』。 家にある『ラバー・ソウル』のCD(1998年発売)では、 『ノーウェジアン・ウッド(ノルウェーの森)』という カタカナ表記の邦題で、誤訳ツッコミ対策をしています。 素敵な題名『ノルウェーの森』の生みの親は、 「邦題の魔術師」と崇められた高嶋弘之さん (東芝の初代ビートルズ担当ディレクター)。 邦題決定にはセンスある翻訳を必要とします。 『ノルウェーの森』という命名がなかったら、 村上春樹はインスピレーションを得ることなく、 小説『ノルウェイの森』も生まれなかったでしょう! §引用1(高嶋さんのインタビューより) http://www.emimusic.jp/beatles/special/talk.htm > あれ「ノルウェー製家具」ですよ。 > そんなもん知るかってことですよ。 > パッと聞いたら「ノルウェーの森」って、浮かんだんですよ。 §引用2(高嶋さんの記事より;日経BPムック『大人のロック! ザ・ビートルズ1962-1966「赤の時代」の衝撃』10頁)https://amzn.to/2EjkfDs
> 原題「Norwegian Wood」を見て、曲を聴いて、即座にひらめい > たタイトルだった。ところが、実はノルウェー製家具のことが > 歌われているのだと、イギリス人に腹を抱えて笑われた。 たしかに、拙著『翻訳者はウソをつく!』124頁で、 「誤訳系タイトル」に分類していますが(^^;)、 タイトル翻訳の世界では、誤訳も意訳のうち。 売れる要素を持つタイトルを目指しているので、 誤訳かどうかで話題になれば、それもまた良し! そういう意味で、誤訳論争には終止符を 打たなくてもいいのかもしれませんね。 誤訳論争よ、永遠なれ! ⇒ 最後に、ボクが「ノルウェーの森」を誤訳とみなす根拠は、 ポールが手伝ったといわれる歌詞の結末パートにあります。 ♪歌詞引用 And when I awoke I was alone This bird has flown So I lit a fire Isn't it good, Norwegian wood? 翌朝 目が覚めると俺ひとり かわいい小鳥は飛んでいってしまった 俺は暖炉に火をくべた まるでノルウェーの森にいるみたいだ(対訳:内田久美子) このCDブックレット対訳は、 後半2行の訳に無理があるようです。 日本人好みで、余韻にひたれるエンディングですが、 原文からは「森にいる」も「みたいだ」も読み取れません。 だから 火をつけた いいねぇ、ノルウェー産の木って(火訳:福光潤) 何に「火をつけた」のでしょうか? 1.暖炉に火を付けた この場合、ノルウェー産の薪をくべたことになりそうです。 (ちなみに「火をくべる」は誤り→「~を火にくべる」) 2.煙草に火を付けた 作曲当時、英国で北欧産のマッチが多く使われていたので、 「Made in Norway」のマッチで火を付けたことになります。 3.部屋に火を付けた プチ失恋の腹いせで、彼女が自慢していたノルウェー木材に 放火してやったというオチだそうです、ポールの談によれば。 あと、ノルウェー産のパイン材は安価で燃えやすいよ、とも! 上記1~3のいずれの解釈で火を付けたとしても、 「彼女の言ったとおり、ノルウェー産の木っていいねぇ」と、 感慨深げに、皮肉めいた一言をもらす幕切れがジョンらしく、 「wood」は「森」でなく「木材」でしょう、という結論です! 【ひとこと】 2013/1/17(木)朝9時頃、兵庫県姫路市田寺より、 我が家の鳥さん has flown away out of the window!! オカメインコ(ノーマル灰色)、オス、8才、手乗り 名前:ピクオくん 体長:30cm 近隣の方で、保護や目撃情報など、お手数を掛けますが、 ご一報いただけると、ありがたく存じます。ピクオ君の写真はこちらです→ http://j.mp/WQeDkv
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