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日刊タイトル英語 第752号 ボヴァリー夫人~2種類の「マダム」

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 ☆/★/     《読んだフリ特集~第5位》    \★\☆
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       こんにちは、英語イストの福光潤です♪

       2ヶ月ぶりのごぶさたですね m(._.*)m

       では、さっそく読んだフリの続きです!



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日刊タイトル英語        2009/08/19(水)第752号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
       《読んだフリ特集~第5位》
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【邦題】ボヴァリー夫人

 別表記:ボワ゛リイ夫人



【英題】Madame Bovary



【意味】

    [Madame]   [Bovary]
     ↓      ↓
     ~夫人    ボヴァリー
    (英語圏以外) (人名)

  ⇒ ボヴァリー夫人

  ⇒ シャルル(Charles)・ボヴァリーの妻、エマ(Emma)



【作品】

    1856年/フランス/本/小説、ロマンス、不倫
    著者:ギュスターヴ・フローベール(Gustave Flaubert)

    フランス語原題:Madame Bovary(英題と同スペル)

    1856年、雑誌『パリ評論(La Revue de Paris)』連載
    1857年、書籍出版

    英訳:1898年
    翻訳者:Eleanor Marx Aveling

    和訳:1916年
    翻訳者:中村星湖(邦題:ボワ゛リイ夫人)

    イギリスで最も読んだフリをされた本ランキング第5位
     ~2009年3月発表
        by 世界本の日(World Book Day)主催団体

  ★ フランス映画(1991年)の予告編見る?
     └→ https://title-eigo.com/Database/MadameBovary#WatchIt



【コラム】

  ⇒ すでに英題のスペルはご覧いただきましたが、

    『M~(マダム) Bovary』って、書けますか?
     ~~~~~~~~~~~~~
    上を見ずに、スペルを思い浮かべてください。



              思


              い


              浮


              か


              び


              ま


              し


              た


              か


              ?


              ↓


             【答】


              ↓


              M


              a


              d


              a


              m


              ↓


              あ


              と


              も


              う


              ひ


              と


              声


              ↓


              e



  ⇒ そう、英題でも、仏語原題と同じスペルで、

    「Madame」=「マダム」=「~夫人」です。
     ~~~~~~

    フランス語「Ma dame(=My lady)」由来。


    赤毛のアン(Anne)の自己紹介風にいえば、

    「-e」の付いたマダムなの、よろしくね~!



  ⇒ 英語圏の奥さまなら「Mrs. Bovary」となるところ。
              [[~福光潤]] 2009年 08月 20日, 01:09
    例:『ダロウェイ夫人(Mrs. Dalloway)』(1925年)
               [[~福光潤]] 2009年 08月 20日, 01:09
      『ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)』(1968年)
                 [[~福光潤]] 2009年 08月 20日, 01:09

    しかし、「Madame」は仏語由来の敬称なので、
         ~~~~~~
    仏語圏などの英語圏以外の奥さまを指します。


    例1:イギリスで有名だけど、実はフランス人

      マダム・タッソー(Madame Tussaud;1761年~1850年)
               ~~~~~~
        └→ フランス人蝋人形作家、後にスイスに帰化

           ロンドンの蝋人形館は「Madame Tussaud's」
                      ~~~~~~

    例2:ポーランド人だけど、フランスで有名

      キュリー夫人(Madame Curie;1867年~1934年)
             ~~~~~~
        └→ フランスで活躍したポーランド人物理学者


    例3:日本人 in アメリカ小説→フランス語オペラ化

      『蝶々夫人(Madame Butterfly)』(小説1898年/オペラ1904年)
            ~~~~~~
        └→ 蝶々さんは日本人で、プッチーニのオペラは仏語。

           アメリカ人作家ジョン・ルーサー・ロングによる、

           同名原作の短篇小説は、英語で書かれていました。

           英語「Madame」は、日本人妻をも指せたようです。
              ~~~~~~


  ⇒ 一方、「madame」から「-e」が取れて、

    「madam」という英語らしい単語も誕生。
     ~~~~~

    昔は、いわゆる身分の高い「奥さま」を、

    そして今では、未婚・既婚にかかわらず、

    女性すべてに対する丁寧な呼びかけです。

    つまり、男性に対する「sir」に相当。


    商用の英文レターでは、組織宛てに、

    「Dear Sir/Madam」と書き始めます。
          ~~~~~

    The Beatles の『Paperback Writer』(1966年)の歌いだしでも、

    出版社宛てに、「Dear Sir or Madam: Will you read my book?」
                  ~~~~~
    と、作家志望者による原稿送付状の文面がつづられていましたね。


    会話では、「madam」⇒「ma'am」と短縮して使います。
          ~~~~~   ~~~~~
    お困りの女性に、「May I help you, ma'am?」などと。
                     ~~~~~

    英語ドラマなどでは、上司や上官が女性である場合に、

    「Yes, ma'am! イエス、マ~ム!」と言っていますよ。
        ~~~~~
    男の上司・上官には「Yes, sir! イエッサー!」です。



  ⇒ 「Bovary」の方は、フランス人名なので、

    おそらく、英語辞書には載っていません。


    しかし、そこから派生した仏語「ボヴァリスム(bovarysme)」

    を英訳した「ボヴァリズム(bovarism)」は、辞書にあります。


    『ランダムハウス英語辞典』⇒「過大な自己評価、うぬぼれ」。


    主人公のエマは、自分を現実の姿から理想像へと投影しがちで、

    そんな夢想的気質や、理想と現実との乖離・ギャップのことを、

    「bovarism」というようです。


    が、、、


    十中八九、英会話で使うことはないと思います。。。(^^;)



【ひとこと】

    最近は、ツイッター(Twitter)にて、

    英語クイズや語学関連のつぶやきなどを発信中。

    アカウントをお持ちの方は、お気軽にフォローしてくださいね♪

     └→ http://twitter.com/junfukumitsu



【次号予告】

    それでは、“読んだフリ本”の第4位!

    (フクミツも読んだフリをしたことあり)


    > The Bible


    世界最大のベストセラー&ロングセラー!

    本書の邦題は『●書』。わかりましたか?

    わかったフリをして、次号をお楽しみに!


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪

    事実やご意見を付け加えたい場合は、コメントを残してね♪



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