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日刊タイトル英語 第658号 ムーヴィン・アウト

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日刊タイトル英語        2007/10/18(木)第658号
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          外へ動く…って?
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【邦題】ムーヴィン・アウト


【英題】Movin' Out (Anthony's Song)


【発音】
    ▼   ▼     ▼       ▽
    ムーvぃナうとぅ ェアんθぉにーずソーん(ぐ)

    (▼を1番強く、▽を2番目に強く、小文字・平仮名は適当に読む)
    (「vぃ」は上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴぃ」)
    (「θぉ」は、舌が上の歯の裏1mm上空で、「そ」と「ふぉ」の間)

  ★ 福光の発音+ヒラメキ例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/MovinOutAnthonysSong#Hatsuon

  ★ ポッドキャスト版(音声ブログ)は、こちら!
     └→ http://www.voiceblog.jp/title-eigo/


【意味】

    [Movin']    [Out] ([Anthony's]  [Song])
     ↓       ↓   ↓       ↓
     動く(Moving) 外へ  アンソニーの  歌
     │       │
     └┬――――――┘
      └→ 立ち去る、引っ越す

  ⇒ 立ち去るところ、引っ越すところ (アンソニーの歌)

  ⇒ 出世のために、こんな都会で、きゅうきゅう言うのはゴメンだ。
    俺なら、出てくぜ! (アンソニーへの歌)


【作品】

    1977年/アメリカ/音楽/ロック、ポップス、シンガーソングライター
    作詞・作曲・歌・演奏:ビリー・ジョエル(Billy Joel)
    アルバム『ストレンジャー(The Stranger)』からの2ndシングル曲
    全米チャート最高第17位、全英チャート最高第35位!

    ミュージカル:
    2002年/アメリカ/ブロードウェイ、ジュークボックス・ミュージカル
    振付:トワイラ・サープ(Twyla Tharp)
    作曲:ビリー・ジョエル
    編曲:スチュアート・マリーナ(Stuart Malina)
    2003年、トニー賞の最優秀編曲賞と最優秀振付賞を受賞!


【コラム】

  ⇒ ニューヨーク。

    アメリカン・ドリームにむかって、

    がむしゃらに働く移民たちのポートレート。


    イタリア系のアンソニー君は、食料雑貨屋の店員。

    帰宅すると、玄関にママ・レオーネからの伝言メモが。


    ♪歌詞引用

     "Sonny, move out to the country"

     “息子よ 田舎へお帰り” (歌詞対訳より)


    と。

    ん?

    なんかヘンやな~。


    「the country」=「田舎」

    ですが、都市部に対しての田舎であって、

    ふるさとを意味する田舎じゃないですよ。


    母の言葉に「田舎」と出てくるもんだから、

    イコール実家となり、「お帰り」と意訳した模様。

    その内容なら、「"Sonny, come home"」となるところ。


    ここには、タイトル英語「move out」があります。

    今の場所を立ち去り、別の場所へ引っ越すイメージ。

    まずは、「(都会の)外へ動け」=「move out」と、

    説得しようとしているのです。


    ♪歌詞引用

     "Sonny, move out to the country"

     “息子よ 田舎に越しなさい” (直訳:福光潤)


    そして、これがすなわち、帰ってきなさい、

    というニュアンスにとれれば、よいのでは?


  ⇒ 今度は、サビのタイトル英語までの歌詞の流れです。


    汗水たらして、いくらお金を稼いだって、

    家を買う前に、心臓発作で倒れたらどうする?

    高級車を手に入れても、体を痛めたらバンパー磨きで満足か?

    70年代アメリカの都会で働くブルーカラーたちの、

    あくせく働く姿へ、疑問を投げかけています。


    そして、家や高級車が、出世のしるしならば、

    あんた(=アンソニー)のママの言うとおり、

    のんびりとした田舎へ、引っ越すつもりだぜ。


    ♪歌詞引用

     It seems such a waste of time
     If that's what it's all about
     If that's movin' up then I'm movin' out

     そんなの時間の無駄というものさ
     もし それがすべてならね
     それが出世だというなら 僕がゴメンだね (歌詞対訳より)


    お~、こんどの意訳は、うまく決まっていますねー。


     「movin' up」 より 「movin' out」

       ┌┐┌┐      ┌―┐
      ┌┴┴┘│     ┌―――┐        ☆
      ├   ┤―┐   ├   ┤
      ├ ○ ┤ ┤ ┌―├ × ┤         /
     ┌├ ↑ ┤┌―┐├ ├   ┤        /
     ├├ ● ┤├ ┤├ ├ ●~~~→○    /
     ├├   ┤├ ┤├ ├   ┤      vv vv vvv
    ―┴┴―――┴┴―┴┴―┴―――┴――――~~~~~~
          the city            the country


    というワケです。


  ⇒ アルバム『ストレンジャー』も『ビリー・ザ・ベスト』も、

    同じ歌詞対訳なので、同じ誤訳がたくさんあります^^;。

    CDをお持ちの方は、下記の福光バージョン訳をもとに、

    ご自分なりの訳で、訂正しておいてくださいね。


  1)Workin' too hard can give you a heart attack

    誤:「心臓麻痺なんかで死にやしないさ」

    正:「働きすぎたら、心臓麻痺おこすで」

    ※翻訳者さんは、アンソニー自身が語り手だと勘違い。
     この歌は、「アンソニーの歌」ですが、
     「アンソニー」=「he(彼)」であり、
     同じく移民系市民を代表するビリーが「I(俺)」です。


  2)Sergeant O'Leary is walkin' the beat

    誤:「受け持区域を歩いていくオリアリー軍曹」

    正:「オリアリー巡査部長がパトロール中だぜ」

    ※「Dan O'Leary」はアイルランド系の名前で、
     特定の人ではなく、「警官」一般を指す言葉。
     「do a Dan O'Leary」=「一生懸命はたらく」
     というイディオムもあり、歌詞では、この後、
     夜もバーテンとして働く様子が、語られます。


  3)You can pay Uncle Sam with the overtime

    誤:「仕事を終えたら アンクル・サムごっこをやってもいいけど?」

    正:「残業してまで、合衆国に税金おさめるのもいいけど…」

    ※「Uncle Sam」の頭文字は「US」⇒「United States」のこと。
     また、「overtime」=「残業時間、残業手当」です。


    よっしゃ!

    今日はこの辺にしといたろ!^^


  ⇒ ひらめき例文は、関西の田舎へ越したアンソニーの後日談。

    マニアックな例文ですので、歌詞をご存知の方だけどうぞ♪
      ⇒  https://title-eigo.com/Database/MovinOutAnthonysSong#Hirameki


【ひとこと】

    では、福光潤著『翻訳者はウソをつく!』
    出版記念プレゼントの当選者発表です!!

    Aコースへのご応募総数は19名、
    Bコースへのご応募は……ゼロ名でした(笑)。

    皆さん、Aコースのサイン本へご応募いただき、
    あらためて、感謝しております。

    “厳正なる抽選”でしたが、こちらの不手際で、
    番号振りの重複があり、1回目からダブル当選者が
    出てしまいましたので、当初の予定通り、
    3回の抽選を行った結果、4名を当選としました!
    なにとぞご了承ください。

    ~ご当選者(順不同)~

    ☆佐古 千賀子 様(カナダ・バンクーバー)
    ☆押野 記代子 様(北海道札幌市)
    ☆深村 葵 様  (東京都八丈町)
    ☆土岐 うい 様 (神奈川県相模原市) 

    本日、発送いたしました!

    残念ながら、はずれた方には、
    もれなくメールを差しあげますので、
    読んでくださいね。^^

    多数のご応募、ありがとうございました!!


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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