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日刊タイトル英語 第613号 ペイ・フォワード 可能の王国

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こんにちは!
電車では送風口直下のポジションを狙う福光です!
乗り込んだ直後はいいんですが、涼んだあとでも、
いやというほど冷風が来ます。気をつけましょう!(^^;)

ということで、水~金曜合併号にて、失礼します!
おわびに、秘伝の単語記憶術を1つ伝授しますね:a
     ^^^^^^^^^^^^^^^^
★どうしても覚えられない単語は、うちわに書く!
 余白の多いうちわを選び、片面に英単語を1個、
 裏面に日本語の意味や用法を、大きく書きます。
 あとは、暑いときに、このうちわであおぐだけ。
 2006年の夏、忘れられない単語となるでしょう!(^^;)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
日刊タイトル英語         2006/07/26-28 第613号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
  「3」が、アメリカ全土、果ては世界中を動かす!
………………………………………………………………………

【邦題】ペイ・フォワード 可能の王国


【英題】Pay It Forward


【発音】
    ▼ ▽  ▼
    ペいイっフォrをrどぅ

    (▼を1番強く、▽を2番目に強く、小文字・平仮名は適当に読む)
    (「r」は舌を巻く)

  ★ 福光の発音+ヒラメキ例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/PayItForward#Hatsuon

  ★ ポッドキャスト版(音声ブログ)は、こちら!
     └→ http://www.voiceblog.jp/title-eigo/


【意味】

    [Pay]      [It]   [Forward]
     ↓        ↓    ↓
     与える、渡す   それを  次の人に

  ⇒ それ(=親切)を、次の(=親切を受けた人とは別の)人に与えよう


【作品】

    2000年/アメリカ映画/ヒューマン、ロマンス
    出演:ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)
       ハーレイ・ジョエル・オスメント(Haley Joel Osment)
       ヘレン・ハント(Helen Hunt)
       ジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi)

    原作:小説『Pay It Forward(ペイ・フォワード[可能の王国])』
    1999年/キャサリン・ライアン・ハイド(Catherine Ryan Hyde)著
        法村 里絵 訳

  ★ 公式サイト→ (公開終了にともないURL削除)
     └→ 画面下の「PAY IT FORWARD」をクリックすると、
        この行いの仕組みが、簡単な英語で説明されます。


【コラム】

  ⇒ 原作小説の出版前に、すでにワーナーが映画化を決めていました。

    2000年12月に日本語訳が出版され、2001年2月に映画が日本公開。

    なので、小説と映画で、邦題が統一されていたんだと思いますが、

    なぜ、「It」が省略されたのか? なぜ、「可能の王国」なのか?

    関係者のみぞ知る、なのでしょうが、一緒に考えていきましょう。


  ⇒ まず、「It」がないと、英語として、意味が成り立たないんです。

    でも、邦題から「It」が省略されたのは、たぶん語呂の問題です。

    『ペイ・イット・フォワード』も、『レット・イット・ビー』も、

    似たようなもんだろうけど、「ペイ・イット」が言いにくいねぇ。
                   ^^^^^^
    いっそ、「イット」を抜いちゃえっと!

    そんな経緯で抜かれたのかと(想像)。


  ⇒ 「pay」の意味は、代金や、代償や、敬意などを「払う」ことです。

    超簡単! 超楽勝! では、今日のタイトルは、どーゆー意味?

    超大人気メルマガ『あの名台詞・決め台詞は英語でなんていう?』

    でお馴染みの、翻訳サイトく~ん!

    「Pay It Forward」を、訳してくださ~い!


    ◆翻訳サイトの結果訳文 → それを前方に支払ってください。


    やはり、日本語になっていないですね~、翻訳サイト君…。

    フォローする言葉も出てこない…。


  ⇒ では、気をとりなおして、今日のタイトルの真実に迫ります!


    12歳のトレバー(Trevor)君が、社会科の授業で思いついた、

    善行のチェーンメールみたいな呼びかけのことを指していて、

    親切を受けたら、それに対する報いを、その相手に返さずに、

    別の3人に渡し、その3人も、それぞれ別の3人に渡すこと、

    それが、「Pay It Forward」です。


    §ペーパーバック裏表紙の文章より引用:

      Twelve-year-old Trevor McKinney began to change the world

      for the better] by doing something good for three people.
                   ^^^^^^^^^^^^^^
      But instead of paying him back, he asked them to "pay it
              ^^^^^^^^^^^^^^^          ^^^^^^
      forward" by doing a favor for three more people,
      ^^^^^^^      ^^^^^^^
      who in turn would help three others, and so on,

      each act a link in a chain of human kindness.


    「pay」が使われている2つの表現だけで要約すると、
     ^^^
    「paying him back」の代わりに、「pay it forward」せよ!
     ^^^              ^^^

    まず、「paying him back」の「him」は「親切をくれた人」で、
        ^^^
    『ランダムハウス英語辞典』の4番目の定義をあてはめてると、

    「親切な行いをしてくれた人に対して報いること」となります。
                     ^^^^^^
    「pay 人 back for 事」=「人がしてくれた事に対して報いる」
     ^^^                       ^^^^^^
    ここでは、「paying him back for the "something good"」です。
          ^^^

    2つ目の表現は、タイトルの「pay it forward」です。
                  ^^^
    「it」は、「something good」=「a favor」=「親切な行為」。

    「forward」は、上の翻訳サイト君の言うとおり、「前方へ」。

    時間的・空間的な前方であり、「次の代へ」という感じです。

    ネットワークビジネスだと、ピラミッド型なので、

    「下の代へ(downward)」となりそうですが、

    ここでは、今日受けた親切を、明日別の人へ渡すわけです。

    「明日」が時間的な前方、「別の人へ」が空間的な前方。

    ちなみに、Eメール転送の動作は、「forward」1語で表せます。

    なので、ここの「pay」は、「報いる」ではなく、単に「与える」。
             ^^^                ^^^^^^
    Aさんから受けた恩に対して、Bさんに報いるのは、変ですよね。

    『ランダムハウス英語辞典』の5番目の定義にあてはまります。

    「pay honor to 人(敬意を人に払う)」のタイプです。


    まとめると、Aさんに報いる代わりに、B・C・Dさんに親切を!

    うまく連鎖すると、すぐに世界の人々へ、親切の輪が広がります!


  ⇒ 「pay it forward」は、この作品で作られた表現でありながらも、

    「pay」と「forward」の正しい語感を持っているネイティブなら、

    パッと聞いて理解できる表現なんですが、日本人には難しすぎる!

    でも、この映画を理解することで、このタイトルが理解できます。


  ⇒ 原作者は、「Pay It Forward」運動の非営利財団を設立しました。

  ★ 「Pay It Forward Foundation」公式サイト
     └→ http://www.payitforwardfoundation.org/


【ひとこと】

    このタイトルは昨年ピックアップしたものですが、

    そのとき、T.M.さんよりお便りをいただきました。


   > It="変化するためのチャンス"なのかと、
   > 機内で見て泣いた覚えがあります。


    「"chance to change"というベタな解釈」と補足がありましたが、

    まさに、「変化するためのチャンスを、次の代へ渡す」ことです!


    これで、なぜ「可能の王国」なのか? という疑問も解けますね。

    (「可能」は、英語で「chance」です)


    T.M.さん、あらためてお便りありがとうございました!


      ヽ(^。^)ノ (*^_^*) \(^O^)/~ _(._.)_ (^o^)丿
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  ⇒  https://title-eigo.com/Database/PayItForward


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