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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日刊タイトル英語 2019/10/06 第932号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 物理学用語由来の一般表現をSF的に再解釈 ………………………………………………… 【邦題】 タイムマシーンにお願い 【英題】 Quantum Leap 【発音】 発音+例文を、音声でどうぞ!→ https://title-eigo.com/Database/QuantumLeap#Hatsuon
【意味】 量子の跳躍=タイムスリップ 多量の跳躍=大躍進 【作品】 1989~1993年/アメリカ/ TVドラマ/SF、タイムスリップ 原案,脚本,製作総指揮: ドナルド・P・ベリサリオ 出演:スコット・バクラ、 ディーン・ストックウェル 第5シーズンまでありますが、 日本語版は第2シーズンまで。 エミー賞4回、ゴールデングローブ賞2回受賞! ★ OP動画を見る?→ https://title-eigo.com/Database/QuantumLeap#WatchIt
7秒目で英題が発音されます。 【コラム】 *主人公の量子物理学者サム・ベケットが、 タイムマシンの実験でしくじってしまい、 行き先不明のタイムスリップに巻き込まれ、 ホログラムの同僚アルと二人三脚で奮闘! はたして現時点(1999年)に戻れるのか! そんなファミリー向けSFドラマです。 1953以降の近い過去が舞台となっていて、 アメリカ近代史と各時代の英語が学べます。 たとえば、キング牧師の時代の「黒人」は 「nigger」と軽蔑的に呼ばれていますが、 主人公が「black」と言っても通じない! 古い英語との差異に注目した脚本ですが、 このドラマ製作から25年たった今、さらに 「black」→「African-American」 または「Afro-American」 といった表現に変わってきています。 そんなことに気づいたり、 翻訳者の苦労を感じたりして、 とても面白いTVドラマシリーズでした! *ということで、そんな 『タイムマシーンにお願い』 のタイトル英語について見ていきましょう。 まず、「quantum」は物理学用語で 「量子(りょうし)」のことです。 それが何なのか(興味はあるけど) 正直よくワカリマセン…。 ※量子力学の概要はコチラ↓ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%AD%A6 次に、「jump」と同じ意味の「leap」が 「quantum」にくっついて 「タイムスリップ」のことだと言われても、 やっぱりよく分かりません! が、こちらについては、 今回のタイトル英語で解決できます。 *「leap」は、 「jump」より形式ばった単語です。 英語学習の中級レベルぐらいなら、 「leap」といえば 次の言葉を思い浮かべる方も 多いのではないでしょうか。 §名言引用 That's one small step for man, but one giant leap for mankind. これはたった1人の小さな1歩にすぎない。 しかし人類全体にとっては大躍進である。 (超飛訳:福光潤) 1969年7月20日、月面に降り立った アームストロング船長の台詞です。 このとき、彼は 「for a man(1人の人間にとって)」 のつもりで 「for man(人類にとって)」 と言い間違えてしまいました。 「a」があるのとないのとで、 1人と77億人の差が出てしまいます! でも、中継に釘付けの英語ネイティブたちは、 ちゃんとメッセージを理解していたそうです。 文法より、ハートが勝つんですね、言葉って。 *「quantum」は、そもそも「量」を意味する 「quantity」と同語源です。 さらに辞書には、「quantum」の意味として、 名詞の「量子」だけでなく、 「画期的な」という形容詞もあります。 なので、 アームストロング船長の名言に出てくる 「giant leap」に似た表現として、 「quantum leap」も「大躍進、大きな飛躍」 となることがわかりますね。 この日常会話フレーズ「quantum leap」が 物理学用語「quantum(量子)」を含むことに着目し、 「タイムスリップ」と解釈し直したのが、 SFドラマのタイトル英語『Quantum Leap』! タイムスリップで別の時代へジャンプすることを 特に「leap=リープする」と言えば SFらしく聞こえます。 *ちなみに、 邦題『タイムマシーンにお願い』は、 サディスティック・ミカ・バンドの 楽曲タイトル『タイムマシンにおねがい』 (1974年)に似ていますが、 表記が微妙に違います。 『タイムマシーンにお願い』は、 そんな時代とジャンルを超えた 《過去のヒット作あやかり型の邦題》 でしたが、残念ながら日本語版製作が 第2シーズンで打ち切られてしまい、 現在も続きが見られないまま…。 できることなら1989年に戻って、 『偶然のタイムトラベラー!?』とかに 邦題を変えたら? って言いに行きたい! そうタイムマシンにお願いしたいものです!…詳しくは専用ページをお読みください♪
【ひとこと】 仕事の締め切り直前に、いつも思います。 過去へリープし、着手直後の自分に、 現在の超アセっている自分の姿を 見せたい、と。 (福光潤)
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