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こんにちは! タイトル英語イストの福光です♪ 前号の答えは【英題】欄と【意味】欄をチェック! 聞けば聞くほど暑さが増す名曲が本日のお題ですが、 読めば読むほど清涼感が増す解説をご用意しました! では、いってみましょう! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥* 日刊タイトル英語 2017/07/21(金)第879号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥* 今夜はたっぷりと痛めつけてや…、え?違うの? ……………………………………………………………………… 【邦題】今夜はビート・イット 【英題】Beat It 【発音】 ▼ ▽ ビーデっ (▼を1番強く、▽を2番目に強く、平仮名は適当に読む) ★ 発音+例文を、音声でどうぞ!└→ https://title-eigo.com/Database/BeatIt#Hatsuon
【意味】 [Beat] [It] ↓ ↓ 打つ、殴る それ └―┬――――┘ ↓ 急いで立ち去る、逃げる ⇒ 逃げろ! ⇒ ずらかるんだ! 【作品】 1982年/アメリカ/音楽/ロック、R&B 作詞・作曲・歌・演奏:マイケル・ジャクソン(Michael Jackson) ギター:エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen)、 スティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)、 ポール・ジャクソン・ジュニア(Paul Jackson Jr.) アルバム『スリラー(Thriller)』(1982年)からの3rdシングル曲。 1983年、全米チャート3週連続第1位、全英チャート最高第3位! ビルボード誌1983年年間ランキング第5位! 1984年度グラミー賞の最優秀レコード賞(Record of the Year)と 最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞 (Best Male Rock Vocal Performance)を受賞! ★ MV動画を見る?└→ https://title-eigo.com/Database/BeatIt#WatchIt
※1分10秒目等で英題が発音されます。 【コラム】 ⇒ リリース当時、ドーナツ盤レコードの歌詞対訳では、 ┌──────────┐ │そんなもの殴り飛ばせ│ └──────────┘ でした。 それが、CDの歌詞対訳を見ると、 ┌──────────┐ │ ずらかっちまえよ │ └──────────┘ と訂正されています。 なんと攻撃から退却へと作戦変更なのか、正反対の解釈です。 この歌詞誤訳トリビアを覚えておけば、「beat」の基本的な意味と、 ^^^^ イディオム「beat it」の意味が覚えられますよ。 ^^^^^^^ ⇒ まず、「beat(ビート)」の基本となる意味は、「何度も打つ」こと。 ちなみに、「hit(ヒット)」は、ネライをさだめて1回だけ打つこと。 ロックでは、ドラムがズンチャズンチャと拍子を何度も刻みますが、 この「拍子」も英語では「beat(ビート)」となります。 『今夜はビート・イット』は8ビート(拍)の曲で、 通して数えてみると、8分音符が1000回以上も刻まれていました! また、「beat +人」で、人をボコボコと殴ることを意味します。 実際、歌詞の中にも、この「殴る」という意味が出てきます。 ♪歌詞引用 ┌───────────────────┐ │They'll kick you, then they beat you │ │ ^^^^ │ │あいつらに蹴られりどつかれたりするで │ └───────────────────┘ (飛訳:福光潤) その「君」に「beat it」と言うわけですが、 「そんなもの殴り飛ばせ」と直訳しても、意味不明です。 ⇒ 実は、「beat it」というイディオムで、 「途中でやめて出ていく、急いで立ち去る、逃げる」 という意味の会話フレーズになります。 ミュージックビデオ(MV)では、 熱くなってケンカを始めた連中の間に、マイケルが割って入り、 ♪歌詞引用 ┌────────────────────────┐ │It doesn't matter who's wrong or right │ │Just beat it │ │ │ │誰が正しくて誰が悪いかなんて、そんなの関係ねぇ!│ │とにかくずらかるんだ │ └────────────────────────┘ (かつての流行語入り訳:福光潤) と歌うと、敵どうしが一緒になって踊りだします。 ムーンウォークではなく、明らかに後ずさりしているステップや、 降参~!というような振り付けなど、 ずらかるためのダンスっぽいも見られます。 文として「Beat it.」と言うと、命令文のようですが、 「Let's beat it.(ずらかろう)」のような感じで歌われています。 歌詞では、他にも「better run」や「better leave」というフレーズで、 「逃げた方がよい」ともアドバイスしています。 ⇒ ちなみに、MVのモチーフとなった 映画『ウエスト・サイド物語』(1961年)の冒頭でも、 似たようなシーンで ┌──────┐ │ Beat it! │ └──────┘ という台詞が出てくるのでチェキラ! ここでは、命令文として、相手に対して「失せろ!」と言っています。 ⇒ 邦題『今夜はビート・イット』って、80年代POPにありがちな、 和洋折衷の字づらで、読む者を攪乱するタイプのタイトル、 いわゆる“翻訳放棄”+“雰囲気重視”の邦題ですね。 つい体が踊りだしてしまいそうなビート感は表現できていますが、 「無意味な争いはできるだけ避けましょうや」という マイケルらしいメッセージが伝わりません。 そこで、70年代風に、こんな邦題に改題してみてはいかがでしょうか。 ┌──────────────────┐ │全米No.1ヒット曲! │ │ │ │ 『今夜は逃げるが勝ち』 │ │ │ │ by マイケル・ジャクソン│ └──────────────────┘ 【ひとこと】 アル・ヤンコビックによるパロディ曲も、かなり売れました。 その名も、『今夜もイート・イット(Eat It)』でしたね! そして、『FAT』(『BAD』のパロディ)に続く…。 (福光)本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪
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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤(英検1級&TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研) | |||||
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