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日刊タイトル英語 第877号 平和を我等に

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 こんにちは! タイトル英語イストの福光です♪

 昨日の夕刻から、一匹の蝉が北側の網戸にとまり、

 静かに歩き回りながら涼んでいます。逃げません。

 前号にお伝えした“密売人の手”の文型の解説が

 気になって、配信前の原稿を盗み見する魂胆かも。

 まだ、見ーンといてや!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
日刊タイトル英語        2017/07/19(水)第877号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
  密売人(give)が両手を広げて待ち構えているぞ!
………………………………………………………………………


【邦題】平和を我等に



【英題】Give Peace a Chance



【発音】
    ▼ ▼   ▼
    ギvピーさチャんす

    (▼を1番強く、小文字・平仮名は適当に読む)
    (「v」は、上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴ」)

  ★ 発音+例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/GivePeaceAChance#Hatsuon



【意味】

    [Give]  [Peace]  [a Chance]
     ↓    ↓    ↓
     与える……~に………~を
     ↓    ↓    ↓
     ↓    平和   チャンス
     ↓    ↓    ↓
     └┬―――┴――――┘
      └→平和にチャンスを与える

  ⇒ 平和にチャンスを与えなさい!

  ⇒ 平和にチャンスを与えよう!



【作品】

    1969年/イギリス/音楽/ロック、フォーク、プロテスト・ソング
    歌・演奏:プラスティック・オノ・バンド(Plastic Ono Band)
    作詞・作曲:ジョン・レノン(John Lennon)、
          ポール・マッカートニー(Paul McCartney)
    ビートルズ在籍時にリリースした、ジョンのソロ曲で、
    ポールとの連名クレジットですが、実際はジョンの曲です。
    ベトナム戦争の時代で、いわゆる反戦歌。
    全英チャート最高第2位、全米チャート最高第14位!

  ★ MV動画を見る?
     └→ https://title-eigo.com/Database/GivePeaceAChance#WatchIt
        ※40秒目等で英題が発音されます。



【コラム】

  ⇒ 「give(与える)」には、“密売人の手”が2本あります。

    まず、左手で相手をガシッとつかまえ、引き寄せます。

    そして、右手でブツをその相手にそっと引き渡します。


    両手パターン
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ┌─────┐に
        │     ∩
      ┌─┴─┐ ┌─┴─┐ ┌───┐
  (--〆)│ give │ │相 手│←│ブ ツ│ 相手にブツを与える
      └─┬─┘ └───┘ └─┬─┘   ^^  ^^
        │           ∪
        └───────────┘を


    両手があるので、「to」や「for」などの力を借りずに、

    相手とブツを、つなぎとめておくことができるのです。


    もし相手がいなくて、指定場所にブツを置くだけなら、

    「to 相手」と書いておいてあげよう(片手はお休み)。


    片手パターン
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ┌─────┐を
        │     ∩
      ┌─┴─┐ ┌─┴─┐ ┌───┐
  (--〆)│ give │ │ブ ツ│to│相 手│ 相手にブツを与える
      └───┘ └───┘ └───┘   ^^  ^^
                 に


    本日のタイトル英語では、相手が人じゃないので

    分かりにくいのですが、前者の両手パターンです。


    両手パターン
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ┌─────┐に
        │     ∩
      ┌─┴─┐ ┌─┴─┐ ┌────┐
  (--〆)│ give │ │peace │←│a chance│ 平和に機会を与える
      └─┬─┘ └───┘ └─┬──┘   ^^  ^^
        │           ∪
        └───────────┘を


    この“密売人の手”を持つギャング(動詞)の一味は以下のとおり。

    ┌────────────────────────────┐
    │・「give」「tell」「show」「send」…          │
    │  (--〆) 片手パターンでは「to」の力を借りるぜ!   │
    │                            │
    │・「buy」「make」「cook」…               │
    │  (--〆) 片手パターンでは「for」の力を借りるぜ!  │
    └────────────────────────────┘



  ⇒ ちなみに、【意味】欄で「与えよう」と書きました。

    「Give」始まりの文なので、普通は「与えなさい」。

    でも、これは、反戦を訴えるメッセージソングです。

    君にも、彼にも、彼女にも、自分にまでも呼びかけ、

    結局「与えよう(Let's give ~)」のような感じで

    歌っていますね。


    ♪歌詞引用(サビ)

    ┌─────────────────────────────┐
    │All we are saying is give peace a chance         │
    │^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^                   │
    │   ↓  ↓                      │
    │僕らが言っているのは、平和にチャンスを! ってことだけやで│
    │^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^           ^^^^^^^^^^^^^^ │
    └─────────────────────────────┘
                           (飛訳:福光潤)


    波線部の直訳は、「私たちが言っていることのすべては~です」。

    言い換えると、「We are only saying "Give peace a chance"」。



  ⇒ 最後に、『平和を我等に』という邦題について。

    この日本語を英語にすると、「Give us peace」。

    平和が「ブツ」となり、我等に平和をよこせ、と。

    言いたいことは同じですが、邦題は「平和」をモノ扱い。

    英題では「平和」をヒト扱いしていて、

    ┌────────────────┐
    │ 立て! 立つんだ! ピース! │
    └────────────────┘

    と、明日のピース君を応援している感じです。



【ひとこと】

    この歌を初めて知ったのは小6の頃だったかな。

    最初は『平和を平等に』というふうに読み間違えていました。

    それ以来、ホントに平和が人類平等に訪れたらなぁと、

    聞くたびに願わずにはいられない歌ですね。


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

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