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日刊タイトル英語 第821号 分別と多感

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 こんにちは! タイトル英語イストの加藤です♪

 兄弟姉妹は似ているのが当然なんてよく言われますが、

 よくよく見ていると違いがあるものですよね。

 一卵性双生児の私と妹も別人です。

 さて、ダッシュウッド姉妹(こちらは双子ではない)は

 どんなふうに違うのか、タイトル英語と一緒に見てみましょう!

             ↓



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
日刊タイトル英語        2016/03/27(日)第821号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥*
           姉妹とて別人
………………………………………………………………………


【邦題】分別と多感



【英題】Sense and Sensibility



【発音】
    ▼   ▽   ▼
    セんさんセんすぃビりてぃ

    (▼を1番強く、▽を2番目に強く、小文字・平仮名は適当に読む)

  ★ 発音+例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/SenseAndSensibility#Hatsuon

  ★ ポッドキャスト版は、こちら!
     └→ http://www.voiceblog.jp/title-eigo/



【意味】

    [Sense] [and] [Sensibility]
     ↓    ↓   ↓
     分別   ~と  多感

  ⇒ 分別と多感



【作品】

    1811年/イギリス/本/小説、恋愛
    著者:ジェーン・オースティン(Jane Austen)
    翻訳者:伊吹知勢(1948年、『エリナとメアリアン』;
      1996年、上記の復刻版『分別と多感 エリナとメアリアン』)
     真野明裕(『いつか晴れた日に 分別と多感』、1996年)
     中野康司、日向由美(いずれも2007年、『分別と多感』)
     工藤政司(2007年、『知性と感性』)

    上記小説の映画化(邦題:『いつか晴れた日に』)
    1995年/イギリス、アメリカ/映画/ロマンス
    監督:アン・リー(Ang Lee)
    原作:ジェーン・オースティン
    出演:エマ・トンプソン(Emma Thompson)、
       ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)、
       ヒュー・グラント(Hugh Grant)、
       アラン・リックマン(Alan Rickman)
    第68回アカデミー賞脚色賞受賞!(エマ・トンプソン)

  ★ 小説『分別と多感』の朗読動画と
    映画化作品『いつか晴れた日に』の予告編動画を見る?
     └→ https://title-eigo.com/Database/SenseAndSensibility#WatchIt



【コラム】

  ⇒ 『Pride and Prejudice(プライドと偏見)』と同様、
     ^^    ^^
    タイトルの頭韻が目を引くオースティン作品、

    『Sense and Sensibility(分別と多感)』。
     ^^^^   ^^^^
     ※頭韻=互いに同じ(ような)音で始まる単語を並べる技法


    よく見てみると、

    「Sense and Sensibility」の方が、

    頭韻としてはより優れているかも?


    なぜって「sense」も「sensibility」も、
         ^^^^    ^^^^
    字面がよく似ていることからもわかるように、

    同じ単語「sense」から由来する言葉だから。
         ^^^^^

    でも、

    「sense」は邦題のとおり「分別」、

    「sensibility」は「多感」と、

    それぞれで全く意味が異なります。


    そういえば「常識」のことを「common sense」と言いますよね。



  ⇒ 物語には、エリナー(Elinor)とマリアンヌ(Marianne)の

    ダッシュウッド(Dashwood)姉妹が登場。

    ※その下にマーガレット(Margaret)という妹あり


    どんなときでも沈着冷静、常識(sense)を兼ね備えたエリナー、

    逆に感情表現が豊かな(sensibility)マリアンヌの

    それぞれの恋模様を描いています。


    その正反対な性格を効果的に表したのが、

    『Sense and Sensibility』というタイトルなのです。



  ⇒ 例えば、ダッシュウッド家が引越しをするとき、

    マリアンヌは傷心のはずの姉についてこんなことを言います。


    §引用

     "When is she dejected or melancholy?
     When does she try to avoid society,
     or appear restless and dissatisfied in it?"

    「あの人、元気がなかったり憂鬱になったりするときがあるかしら?
     一人きりになろうとしたり、
     みんなといても落ち着きがなかったり
     不満そうだったりすることあるかしら?」

                          (加藤による試訳)


    恋模様があったエドワードと離れ離れになるというのに、

    全く感情の動きを見せることのないエリナー。

    失恋して寝込むくらい感情の起伏が激しいマリアンヌにとって、

    この落ち着きぶりは信じられないものなのです。



  ⇒ ちなみに、「sense」が「sensitive」になると「多感な」になり、
                ^^^^^^^^^      ^^^^^^
    「sensibility」が「sensible」になると「分別がある」になります。
              ^^^^^^^^      ^^^^^^^^^^
    ちょっと混乱しますね。



  ⇒ ところで、英語ネイティブと昔話していたとき、

    「どんな洋書を買おうかと迷ったけれど、

     『プライドと偏見』にしたよ」

    と話したら、

    "Oh, that’s a sensible choice!"

    と返されたことがあったっけ。



【ひとこと】

    オースティン作品は登場人物描写が生き生きとしているので好きです。

    加藤のお気に入りは『プライドと偏見』のミスター・ベネットです。

    彼のユーモアあふれる皮肉スキルはぜひ見習いたいものです。

                               (加藤)


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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