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日刊タイトル英語 第817号 レヴェナント:蘇えりし者

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 こんにちは、タイトル英語イストの加藤です。

 レオナルド・ディカプリオが悲願のアカデミー男優賞を受賞!

 それを記念に、今回は彼の受賞作をとりあげようと思います♪

              ↓



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日刊タイトル英語        2016/03/11(金)第817号
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レオ様の受賞までの道のりも合わせて考えると、深いかも…?
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【邦題】レヴェナント:蘇えりし者



【英題】The Revenant



【発音】
       ▼
    £ぁRェvぁなんとぅ

    (▼を強く、小文字・平仮名は適当に読む)
    (「£ぁ」は、舌が上の歯の裏1mm上空で、「ざ」と「だ」の間)
    (「Rェ」は、舌を上あごに付けずに、「ゥレ」)
    (「vぁ」は上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴぁ」)

  ★ 発音+例文を、音声でどうぞ!
     └→ https://title-eigo.com/Database/TheRevenant#Hatsuon

  ★ ポッドキャスト版は、こちら!
     └→ http://www.voiceblog.jp/title-eigo/



【意味】

    [The] [Revenant]
     ↓   ↓
     その  帰って来た者、幽霊

  ⇒ 蘇ってきた者

  ⇒ 蘇りし者



【作品】

    2015年/アメリカ/映画/アクション、ドラマ、アドベンチャー
    監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
       (Alejandro Gonzalez Inarritu)
    原作:マイケル・パンク(Michael Punke)
       (2002年;原題『The Revenant: A Novel of Revenge』;
                 邦題『レヴェナント 蘇えりし者』)
    出演:レオナルド・ディカプリオ(Leonard DiCaprio)、
       トム・ハーディ(Tom Hardy)、
       ドーナル・グリーソン(Domhnall Gleeson)、
       ウィル・ポールター(Will Poulter)、
       ポール・アンダーソン(Paul Anderson)、
       ブレンダン・フレッチャー(Brendan Fletcher)
    音楽:坂本龍一、アルヴァ・ノト(Alva Noto)
    第88回アカデミー賞3部門(監督賞、主演男優賞、撮影賞)受賞!

  ★ 予告編動画を見る?
     └→ https://title-eigo.com/Database/TheRevenant#WatchIt



【コラム】

  ⇒ 今回のタイトル英語では、「revenant」という

    何やら難しそうな言葉がテーマです。


    「(長い不在を経て)帰って来た者」、「幽霊、亡霊」、

    あるいは

    「戻ってくる」、「幽霊のような」という状態

    を表しています。


    いやはや、単語の見た目の雰囲気に劣らず、

    壮大な意味を持つ言葉ですよね。

    「レヴェナント」とカタカナにしてみても、存在感抜群!



  ⇒ 同作『The Revenant(レヴェナント:蘇えりし者)』では、

    1820年代の西部開拓時代に毛皮を採取していた狩人チームの一人、

    ヒュー・グラス(Hugh Glass)

    という実在の人物にスポットを当てています。


    彼は狩猟中にハイイログマに襲われて重傷を負い、

    回復の見込みはないとして仲間に見捨てられてしまいました。

    それでもやっぱり生きていた彼は復讐の念を力に変え、

    息も絶え絶えになりながらチームを追いかけたことから、

    「The revenant(蘇りし者)」として伝説的な存在になりました。


    埋葬されたはずの土の中から這い上がり、

    これまた這うように仲間を追跡する姿は、

    まさしくゾンビ、

    ではなく

    「蘇りし者」、

    「死の世界から帰って来た者」

    です。



  ⇒ ところで、この「revenant」という言葉、実はフランス語由来です。

    フランス語の「reveniur(英語で言うとreturn)」に由来し、

    「死から生還した人、蘇った人」という意味を持ちます。


    ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
    ┃ 日本語の「よみがえる」も「黄泉から帰る」が由来やからのう ┃
    ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┛
                        ┗━ 福光 (´°J °`)F


    ちなみに、実は、英語には

    いろいろなフランス語ルーツの言葉が存在します。

    1066年のノルマン・コンクエストで、

    ノルマンディー公ギョーム2世(英語風に言うとウィリアム2世)が

    イングランドを征服。

    そのとき大量のフランス語が英語に流れ込み、使われるようになりました。


    例えば、このとき動物とその食肉の名称が区別されるようになりました。

    それ以前は、豚なら生体であろうと肉であろうと

    「pig」、または「swine」

    (※豚インフルエンザのことを「swine influenza/flu」と呼ぶことも!)、

    牛なら「ox(牡牛)」や「bull(去勢した牡牛)」、「cow(牝牛)」

    と表現していました。


    しかし1066年以降、

    フランス語から豚の生体を指す「porc(英語型はpork)」、

    牛の生体を指す「boeuf(英語型はbeef)」

    などが流入。


    ノルマン征服後に被支配階級(食肉動物を育てる側)がイングランド人、

    支配階級(肉を食べる側)がフランス語を話すノルマンディー人

    に別れたため、

    これらは動物そのものではなく

    食肉を指す言葉として定着しました。



    ※福光「ふむふむ。まとめるとこんな感じですな」↓

     ┏━━━━━━━┯━━━━━━━━┳━━━━━━━━┓
     ┃イングランド人:"お上はええもん ┃ノルマンディー人┃
     ┃(被支配階級): 食べてはるなぁ"┃ (支配階級) ┃
     ┠───────┼────────╂────────┨
     ┃   英語   :   英語化   ┃  フランス語  ┃
   ┌─╂───────┼────────╂────────┨
   │豚┃ pig, swine :   pork   ←   porc   ┃
   ├─╂───────┼────────╂────────┨
   │牛┃ox, bull, cow :   beef   ←   boeuf   ┃
   └─╂───────┼────────╂────────┨
     ┃  ↑生体↑  :  ↑食肉↑  ┃  ↑生体↑  ┃
     ┗━━━━━━━┷━━━━━━━━┻━━━━━━━━┛



    このとき、英語の他の言葉もいろいろな影響を受けたようです。


    またもちろん、長い歴史を経て、

    ラテン語やスペイン語などさまざまな言語に影響されています。


    今回の「revenant」そのものはノルマン征服と直接関係ありませんが、

    他言語の言葉が英語の言葉として使われることはよくあることなのです。


    レオ様のアカデミー受賞までの道のりも合わせて考えると、深いですね。



【ひとこと】

    映画のスケールにも負けない、

    壮大な歴史を感じさせるタイトル英語でした!

                               (加藤)


    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

発行周期 毎週日曜夕方
マガジンID 0000138615
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