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日刊タイトル英語 第397号 世界の中心で愛を叫んだけもの

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日刊タイトル英語        2005/10/21(金)第397号
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   エヴァ最終話+セカチューの、元ネタタイトル!
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【邦題】世界の中心で愛を叫んだけもの


【英題】The Beast That Shouted Love at the Heart of the World


【発音】
      ▼      ▼    ▼      ▼      ▼
    £ぁビーす£ぁっシャうでっラーvぁっ£ぁハーrどv£ぁワrおず

    (▼を1番強く、▽を2番目に強く、小文字・平仮名は適当に読む)
    (「£ぁ」は、舌が上の歯の裏1mm上空で、「ざ」と「だ」の間)
    (「vぁ」は上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴぁ」)
    (「r」は舌を巻く)
    (「v」は、上の前歯を下唇の内側に当てて、震わせながら「ヴ」)

  ★ 福光の発音と、ヒラメキ例文を、音声でどうぞ!
     └→ http://eigo.jf-world.com/links_0510.html#397


【意味】

    [The Beast]    [That]    [Shouted]  [Love] 
     ↓         ↓      ↓      ↓
     獣性を持つ存在   直前のものは ~を叫んだ  愛

    [at the Heart] [of the World]
     ↓       ↓
     中心で     世界の

  ⇒ 世界の中心で愛を叫んだけもの(←そのまま)


【作品】

    1969年/アメリカ/短編小説/SF、暴力、世界の中心、パンドラの箱
    ハーラン・エリスン(Harlan Ellison)著
    1969年度ヒューゴー賞を受賞!

  ★ 今日のタイトル作品に関する情報は…
     └→ http://eigo.jf-world.com/links_0510.html#397


【知識】

  ⇒ まず、みなさんが気にしていらっしゃる話題からです。


    セカチューの原作者、片山恭一氏が想定していたのは、

    『恋するソクラテス』というタイトルだったそうです。

    主人公の朔太郎=サク→サクラテス→ソクラテスなの?

    といったオヤジ発想は入っていないかもしれませんが、

    この理屈っぽい青年を指すタイトルだったことは確か。


    内容の割には、センスのないタイトルだと感じたのか、

    編集者の石川和男氏が、『世界の中心で、愛を叫ぶ』

    と命名し、柴咲コウが手にとり宣伝→大ヒット作品に!


    なので、今日のSFと、セカチューの世界は縁遠いです。


  ⇒ では、本日の作品のあらすじです(ネタバレにご注意!)。


    本作の「中心」は、都市内部の暴力を外部に吐き出す装置。

    世界中でその都市だけが、暴力のない理想郷でいられます。

    しかし、ある博愛主義者が、その装置に飛び込んだところ、

    装置は外部に愛を吐き出し、世界に平和が訪れましたとさ!


  ⇒ 英題も邦題も、具体的なイメージを想起させつつ、

    比喩的であり、象徴的でもあるタイトル表現です。

    この多重性は、下記の3点に起因すると思います。


  1)「the beast」の解釈は2通り:

    a)特定の獣性を持った動物(具体的)

    b)獣性 or 獣性を持つ存在(観念的)


  2)「shout love」の解釈は2通り:

    a)愛の言葉(「I love you!」etc.)を叫ぶ(具体的)

    b)愛の念を、広く行きわたらせる(観念的)


  3)図形の端っこから測った長さが同じになる中心は、

    「center」や「middle」と言いますが(具体的)、

    「heart」は、町の中心や、物事の核心(観念的)。


  ⇒ この作品は、ベトナム戦争泥沼化の1969年に発表。

    著者のエリスンは、『宇宙大作戦(Star Trek)』

    の人気エピソード、『危険な過去への旅(The City

    on the Edge of Forever)』(1967年)の脚本でも、

    ヒューゴー賞を受賞していますが、どちらの作品も、

    ベトナム戦争を背景に生み出された、優秀なSFです。


  ⇒ 最後に、世紀をまたいだ、タイトル伝言ゲームです!


           1969年(人類、月に立つ)

    『The Beast That Shouted Love at the Heart of the World』
     └→ http://jf-world.com/item/1565049632/jfworld-22

            ↓

           1979年(金八先生、ドラえもん放映開始)

    『世界の中心で愛を叫んだけもの』(上記の邦訳;浅倉久志訳)
     └→ http://jf-world.com/item/4150103305/jfworld-22

            ↓

           1996年(『アジアの純真』でPuffyデビュー)

    『世界の中心でアイを叫んだけもの』
          (TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話)
     └→ http://jf-world.com/item/B00005HY9Q/jfworld-22

            ↓

           2001年(東京ディズニーシー開園→翌週が9.11)

    『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一著;純愛;セカチュー)
     └→ http://jf-world.com/item/4093860726/jfworld-22

            ↓

           2004年(アテネオリンピック)

    『イラクの中心で、バカとさけぶ』(橋田信介著;イラク戦争取材記)
     └→ http://jf-world.com/item/4776201321/jfworld-22


【ひとこと】

    ところで、世界の中心ってどこ?


【次号予告】(クイズ:「*」を埋めてみて!)

    そして、地球の中心ってどこ?

    『地底旅行(Journey to the ****** of the Earth)』

    のタイトル英語をお送りしますので、お楽しみに!



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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

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