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日刊タイトル英語 第230号 赤毛のアン

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日刊タイトル英語        2005/05/07(土)第230号
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こんにちは、福光です!

今日のタイトルは、邦題がレッドなのに、英題はグリーン!

タバスコ買ってきたら、いつものペッパーソースじゃなく、

ハラペーニョソースだったよ、ショック! といった感じ?


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日刊タイトル英語        2005/05/07(土)第230号
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【邦題】赤毛のアン


【英題】Anne of Green Gables

     V     V   V    (←V強く)
【発音】ェアーのvぐRィーんゲいぼーず

    (「v」は上の前歯を下唇の内側に当てて、ふるわせながら「ぶ」)
    (「Rィ」の発音は、舌を上あごに付けずに、「ゥリ」)

  ★ 福光の発音と、ヒラメキ例文を、音声でどうぞ!
     └→ http://eigo.jf-world.com/links_0505.html#230


【意味】[Anne]   [of]  [Green] [Gables]
     ↓     ↓   ↓    ↓
     アン    ~の  緑の   切妻屋根
    (女性名)

  ⇒ 《グリーン・ゲーブルス(緑の切妻屋根)》に住む、アン(の物語)


【作品】1908年/カナダ/小説/L・M・モンゴメリー(L. M. Montgomery)著

    作者名の「L. M.」は、「Lucy Maud(ルーシー・モード)」の略。
                           V
    姓の「Montgomery」の発音とアクセントは、「まんガめrぃー」。

  ★ 今日のタイトル作品に関する情報は…
     └→ http://eigo.jf-world.com/links_0505.html#230

  ★ 無料で、原書が全文読めます!(作者の顔写真もあり!)
    ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
  http://www.online-literature.com/lucy_montgomery/anne_green_gables/


【知識】

  ⇒ 「gable」は「切妻屋根」で、下記のような形状の屋根です。

       ___
      /\  \
         ̄ ̄ ̄

    アンが住むことになる家が、緑の切妻屋根が印象的なことから、

    ご近所さんから、通称「Green Gables」と呼ばれていましたが、

    「ガ行(G-)」の音が続くので、定着しやすいネーミングです。


  ⇒ 「Gables」が「-s」付きなので、屋根が複数あるんでしょうか?

    小説の舞台である、カナダのプリンスエドワード州のサイトで、

    アンの家、「Green Gables」の写真をご覧ください(直リンク)。
    

    確かに、緑の屋根2セット分が、ドッキングしていますね。


    さらに、建築用語としては、「窓の上の装飾用切妻」や、

    「切妻壁」も指しますが、これらも上記写真中に見られます。

    緑の切妻が3種類あるので、「-s」付きなのかもしれません。


  ⇒ 昨日の予告欄に書きましたが、「slate(石板)」がキーワード。

    昔の生徒がノート代わりに使っていた、ミニ黒板みたいなもので、

    いわゆるスレート(粘板岩)を、筆記用具として、加工したもの。

    それでは、「slate」の場面を、引用しながら、見てみましょう!


    原文は著作権が消滅しているので、上記サイトから引用しますが、

    翻訳書の文章は著作権保護期間中のため、福光が適当に訳します。


    §引用 1/5

      Gilbert reached across the aisle, picked up the end of 
      Anne's long red braid, held it out at arm's length and 
      said in a piercing whisper:

      "Carrots!  Carrots!"


    授業中に、ギルバート(Gilbert)少年が、アンの赤毛を引っ張り、

    「にんじん! にんじん!」と、からかいます。

    しかも、「1本で~も、にんじん♪」という昔の歌とは違い、

    「-s」付きの「Carrots!」だから、「にんじん」がいっぱい!

    「にんじん特売! つかみ取り!」などと、言っているのか?

    会って間もないクラスメートに、こんな風にからかわれたら、

    すぐに反撃しないと、先々、いじめられる運命が待っています。


    §引用 2/5

      Then Anne looked at him with a vengeance!


    アンは、「キッ!」と見返しました(反撃モードに入った)。

    「vengeance(復讐、仕返し)」の意味も入っていそうですが、

    「with a vengeance」は、「激しく」ぐらいの意味で使います。


    §引用 3/5

      She did more than look.  She sprang to her feet, her 
      bright fancies fallen into cureless ruin.  She flashed 
      one indignant glance at Gilbert from eyes whose angry 
      sparkle was swiftly quenched in equally angry tears.


    難しいので、翻訳を放棄(笑)。

    この段落は、最後の「angry tears」だけ分かれば、よしとしよう!


    §引用 4/5

      "You mean, hateful boy!" she exclaimed passionately.
      "How dare you!"


    「なんて、意地悪なの! 嫌いっ!」
            +
    「よくも、からかってくれたわね!」


    「You mean」は、「~っていう意味?」という意味じゃなくて、

    「mean」は「卑劣な、意地悪な」という意味です。


    「How dare you!」は、映画などで、よく出てきます。

    「How dare you speak to me like that!」のことです。

    (私に向かって、よくもそんな口の利き方をしてくれるわね!)


    §引用 5/5

      And then--thwack! 
      Anne had brought her slate down on Gilbert's head 
      and cracked it--slate not head--clear across.


    バキッ!

    アンは、ギルバートの頭に、石板を振り下ろして、

    バキッ! と、真っ二つに、かち割ってしまった!

    かち割ったと言っても、頭の方でなく、石板の方。
               └→ 「--slate not head--」の部分


  ⇒ 「slate」と言えばアン! というほど、この場面が好きですが、

    ミーガン・フォローズ(Megan Follows)主演の映画にも、

    日本アニメの『世界名作劇場』にも、最初の方に登場するはず。

    レンタルで、復讐、いや復習してみてください。


【ひとこと】

    昨日に引き続き、昔の邦題のセンスは素晴らしいです。

    邦題を『赤毛のアン』に決めたのは、村岡花子さんでしょうか?

    とにかく、言いやすい! 分かりやすい! 覚えやすい!

    の3拍子そろった、邦題ですね。

    福光のようなこだわり屋だと、『石板のアン』としかねません。

    そして、シュールな翻訳文が評価されぬまま、売れずに絶版!



    本日のタイトル英語は、専用ページで詳しく復習できます♪



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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

発行周期 毎週日曜夕方
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