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日刊タイトル英語 第97号 愛は静けさの中に

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日刊タイトル英語        2004/12/18(土)第97号
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当メルマガを、毎日ご覧いただき、ありがとうございます!

本日は、ろう学校の新任教師と言葉が不自由な女性との恋!

耳の不自由な生徒たちに、先生が発音指導をする場面は、
単語の発音に力を入れている英語学習者は、必見ですよ!

発音音声&作品関連情報は、下記ページをご覧ください!
  ⇒ http://eigo.jf-world.com/links_0412.html#97

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【邦題】愛は静けさの中に


【英題】Children of a Lesser God


【発音】チュうどぅうぇんなばレっさガあ(どぅ)
     ^         ^  ^
  ⇒ 「^」付きカタカナは強く、ひらがなは適当に!


【意味】[Children of]  [a]   [Lesser]     [God]
     ↓        ↓   ↓         ↓
     ~の子供たち   ある~ より重要でない   神

  ⇒ より重要でない神の、子供たち

  ⇒ ある劣った神が作った、子供たち!

  ⇒ 二流の神から生まれた、子供たち!


【知識】

    トニー賞を受賞したマーク・メドフ(Mark Medoff)の戯曲が原作で、
    『小さき神の作りし子ら』という邦題でした。
    ランダ・ヘインズ(Randa Haines)の監督で、1986年に映画化され、
    『愛は静けさの中に』という邦題で公開されました。

  ⇒ タイトルの骨格をなすのは、聖書(the Bible)の中で使われる、
    「children of God」という言い回しで、日本語では「神の子ら」。
    「父なる神」に対して、人間のことを指します。

  ⇒ 「God」の代わりに「a Lesser God」とあるので、
    本来ひとりしかいない神の他に、重要度が劣る別の神がいて、
    その劣った神のもとに生まれた人たちを指しているようです。
    (なんてヒドイ表現なんでしょう!)

  ⇒ いまや「a Lesser God」は、一般化した表現のようですが、
    キリスト教の神はひとりのはずで、「a」がつくわけがないので、
    聖書用語ではなく、マーク・メドフの独自表現ではないでしょうか?
    (さらに、ビデオやDVDパッケージでは、「god」が小文字です!)

  ⇒ 先週の「cuckoo's nest」に引き続き、「a Lesser God」も、
    本作品の登場以前にも使われていた表現なのか、不明なままです。
    どなたか、この表現について情報をお持ちの方、ご一報を!

  ⇒ ところで、「lesser」は、不思議な単語じゃありませんか?
    「little - less - least」として、「less」は知っていても、
    さらに「-er」をつけて、「lesser」なんて、冗談のようです。
    「頭痛が痛い」のように、よく考えると意味がダブっていますね。

  ⇒ 「lesser」は、「より、より少ない」という意味ではなく、
    「less」とほぼ同じ意味で、「より少ない」や「より小さい」です。
    特に、「価値や重要性が少ない」という意味において使われます。

  ⇒ 高校生のときに、Assistant Teacherのキャサリン先生に、
    この映画タイトルの「lesser」の意味を尋ねたことがあり、
    「less important」と説明してくれたのを覚えています。
    (フクミツは、当時からタイトルマニアでした)

  ⇒ また、主人公の教師役、ウィリアム・ハート(William Hurt)が、
    マーリー・マトリン(Marlee Matlin)の「サラ(Sarah)」を、
    「セあぅら」と、ネチョッとした響きで呼びます。
    「a」と「r」の発音練習にもってこいです。

  ⇒ 本誌第74号でピックアップした『偶然の旅行者』でも、たまたま、
    キャスリーン・ターナー(Kathleen Turner)演じる妻の名前が、
    「Sarah」ですので、ウィリアム・ハートの「Sarah」が2倍聞けます。
    身近に「Sarah」さんがいらっしゃる方は、この2本の映画で、
    「セあぅら」の響きをマスターしましょう!


【編集後記】

    実際に耳の不自由なマーリー・マトリンは、本作品で、
    アカデミーの主演女優賞をとり、その後も活躍しています。
    ほんとうに美人で、聡明な女優さんです。
      最近の写真(『IMBd』)
        ⇒ http://www.imdb.com/title/tt0090830/

  ⇒ この映画で、主演の2人がプールの中で触れ合うシーンは、
    なんだかフワフワした気分になって、心地よかった印象があります。
    サントラ盤も、水の中のような音楽で、心地よい眠りの音楽。
    映像も音楽も、音のない世界を体感できるように工夫されています。

  ⇒ 言葉の壁をのりこえて男女がカケヒキする様子を描くこの映画は、
    英語の手話(sign language)を覚える必要のない私たちですら、
    その恋のゆくえを、ハラハラしながら見守ってしまいます。



【予告】

    1週間、お疲れさまでした!
    明日は、今週の復習です!



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★“タイトル英語”~ 映画・音楽・本などの英語タイトルと日本語タイトルをくらべて、手軽に楽しく英語学習! 現役翻訳者・福光潤英検1級TOEIC 955点)と加藤由佳のタイトル英語イスト師弟がトリビアをまじえて英語解説。発音も♪ 福光著書:『翻訳者はウソをつく!』(青春新書)/共著『今日から英語でTwitter つぶやき英語表現ハンドブック』(語研)

発行周期 毎週日曜夕方
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