執筆者:福光潤 作成日:2008/10/24 コメント(1件) |
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邦題
- 斜陽
ふりがな
- しゃよう
英題
- The Setting Sun
発音
- £ぁセっでぃん(ぐ)サん
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意味
The | Setting | Sun |
↓ | ↓ | ↓ |
(唯一の) | 沈みゆく | 太陽 |
⇒ 夕日
⇒ 詳しい英語解説は後半のコラムへ
作品
コラム
⇒ 太陽が沈むときには、「set」を使います。
The sun sets earlier in fall.
秋になると、日の入りが早くなる。
「日暮れ」は「サンセット(sunset)」。
逆に、太陽が昇るときは、「rise」です。
ヘミングウェイ著
『日はまた昇る(The Sun Also Rises)』(1926年)
「日の出」は「サンライズ(sunrise)」ですね。
カクテルの「テキーラ・サンライズ(Tequila Sunrise)」に対し、
「テキーラ・サンセット(Tequila Sunset)」があるってウワサ、
ホンマですか?!(笑)
⇒ 戦後の華族が没落していく様子を
「斜陽」ととらえた邦題に対して、
英題も「setting」を使ってカバー!
set = 1. (太陽が)沈む
2. (国家などが)没落する
「華族」とは、明治以降の身分名。
皇族より↓で、士族より↑の貴族。
この称号が廃止された昭和22年は、
なんと、『斜陽』が発表された年!
⇒ 夕日が綺麗な風景写真にも使えそうなタイトル英語、
『The Setting Sun』の“Googleパワー”は、152万!
(= Google フレーズ検索で、152万件ヒットした)
今回の英題クイズ『The ****ing Sun』に寄せられた、
他の3種類の回答と、Googleパワー対決してみます!
☆『The Sinking Sun』(Googleパワー=21,700)
「sink」は、水面下に沈んでいくイメージ。
The sun sinks in the west.
太陽は西に沈む。
ともいえますが、日本語の「沈む」よりも、
英語の「sink」の方が、リアルに沈みます。
さんふらわあ号の海難事故を描く小説なら、
『The Sinking Sun』がピッタリかもです!
☆『The Falling Sun』(Googleパワー=9,460)
「fall」は、高いところから落下するイメージ。
スピーディーな「falling star(流れ星)」や、
夜のとばりが下りるという比ゆ的な表現である、
「nightfall(日暮れ)」などが、一般的です。
月のプリンセスに恋する(fall in love)なら、
『The Falling Sun』というラブソングもOK!
☆『The Dropping Sun』(Googleパワー=1,080)
これも通じますが、「p」が重なるので、
クイズ出題「****ing」の字数超過です、残念!
「drop」は、垂直に急に落ちるイメージ。
「斜陽=斜めに徐々に沈む太陽」なので、
ちょっとニュアンスがズレてしまうかも。
⇒ 邦題『斜陽』を見ると、脳内のブラウザウィンドウに、
「斜陽族」という言葉が同時起動する方はいませんか?
今、この「族」がこびりついて離れてくれないので、
つれづれなるままに、夢想を書きだしてみることに。
日本人は、単一民族に近いのかと思っていましたが、
昭和~平成で、「~族」→「~ラー」→「~系」と、
民族の細分化が進んでいるように思えてなりません。
「斜陽族(people of the setting sun)」とは、
昭和22年に、太宰の『斜陽』から生まれた日本語。
急に社会が変わって没落しちゃう上流階級の人々。
その後、「斜陽族」をもじった「社用族」が誕生!
社用にかこつけて社費で遊んじゃうお偉いさん方。
昭和31年、『太陽の季節』(石原慎太郎・著)に、
インスパイアされちゃった「太陽族」が誕生して、
日の丸ニッポンも、大きく世代交代をとげました!
うれしはずかし昭和の香りがただよう「~族」は、
思いっきり敗戦したあと、単一民族に嫌気がさし、
ぞくぞくとステレオタイプ化・サブカル化した轍。
竹の子族、窓際族、くれない族、ひょうきん族…。
平成になり、バブルはじけ、ボクらは卒業&入社。
群れる世代には感謝しつつ、冷めた視線をすえる。
英語圏にひろがる自己表現社会への飽くなき憧れ。
シャネラー、アムラー、ユニクラーたちの禅問答。
そして、21世紀に成人する世代たち。
「~族」も「~ラー」も大雑把すぎ。
自分らしさを自分勝手に見つけたい。
なごみ系、いやし系、ほのぼの系…。
サブカルもここまで細分化されると、
もはやメディアが把握できない単位。
グループではなく、個人単位の文化。
個人ブログのカテゴリーは増えるわ、
タグにいたっては、洪水のようです。
「~族」→「~ラー」→「~系」→
そして
オンリーワンの「~イスト」が登場!
フクミツが無理やり登場させました!(^^;)
そう自称することで、自己を実現し、
アイデンティティーが確立できます。
いいかえると、好き勝手ができます。
たとえば、自称“英語イスト”なら、
すべて英語学習に結びつけてしまい、
人の話を半分しか聞いていないかも!
という、オンリーワンな英語学習者。
(フクミツはタイトル英語イスト!)
ほかにも、映画イスト、読書イスト、
オカメインコイスト、男の料理スト、
口の中でうどんの結び目を作りスト、
などと、勝手な造語を量産中ですが、
結局、個を尊重する社会へと収束中。
「~イスト」たちが台頭してくると、
社会が崩壊するのではと心配ですが、
そもそも「社会 (society)」とは、
明治期に輸入された言葉=外来概念。
黒船・篤姫以降のジャパン社会とは、
あんがい、ドリーム・幻影なのかも。
異物として拒否されてるとは知らず、
安物のサプリで健康維持するように、
体質にあわない社会の空気を吸って、
社会的動物たろうとしてるだけかも。
そろそろ、つれづれなるうだうだも、
終わりにしなきゃと思っていますが、
このワケわかめな自己満足メルマガ、
これこそが「~イスト」の手段です。
自己実現=タイトル英語ネタ整理と、
社会貢献=言語面の気づきの種まき、
この2つのことしか考えていません。
⇒ ちなみに(ムリやりなちなみです)、
21世紀のパンクバンド“太陽族”は、
「~族」より「~イスト」でしょう。
太陽みてーなBANDやりてぇ!!
というのがバンド名の由来。
ワケわかめなルーツですが、
族(賊)議員なんかよりも、
まっすぐな主張をつらぬく、
現代の太陽族はパンキスト。
↓
造語です…本来は「パンカー(punker)」
⇒ さらにちなみに、うんちくに戻ると、
サトエリ、ぬっくん、伊藤陽佑らで、
『斜陽』の映画化が決定しています。
もう英語系メルマガっぽくないので、
オチはないけど、ここらへんでシメ!
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