ホーム > データベース > ペイ・フォワード 可能の王国

執筆者:福光潤
作成日:2006/07/29
コメント(2件)
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邦題

  • ペイ・フォワード 可能の王国
    • 別表記:ペイ・フォワード[可能の王国]

ふりがな

  • ぺいふぉわーど かのうのおうこく

英題

  • Pay It Forward

発音

  • フォrをrどぅ
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意味

Pay It Forward
与える、渡す それを 次の人に

⇒ それ(=親切)を、次の(=親切を受けた人とは別の)人に与えよう
⇒ “恩送り”ムーブメント
詳しい英語解説は後半のコラムへ

作品

★映画『ペイ・フォワード 可能の王国』の予告編動画(YouTube)
1分20秒目等で『Pay It Forward』が発音されます。

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コラム

  ⇒ 原作小説の出版前に、すでにワーナーが映画化を決めていました。
    2000年12月に日本語訳が出版され、2001年2月に映画が日本公開。
    なので、小説と映画で、邦題が統一されていたんだと思いますが、
    なぜ、「It」が省略されたのか? なぜ、「可能の王国」なのか?
    関係者のみぞ知る、なのでしょうが、一緒に考えていきましょう。


  ⇒ まず、「It」がないと、英語として、意味が成り立たないんです。
    でも、邦題から「It」が省略されたのは、たぶん語呂の問題です。
    『ペイ・イット・フォワード』も、『レット・イット・ビー』も、
    似たようなもんだろうけど、「ペイ・イット」が言いにくいねぇ。
    いっそ、「イット」を抜いちゃえっと!
    そんな経緯で抜かれたのかと(想像)。


  ⇒ 「pay」の意味は、代金や、代償や、敬意などを「払う」ことです。
    超簡単! 超楽勝! では、今日のタイトルは、どーゆー意味?

    翻訳サイトく~ん! 「Pay It Forward」を、訳してくださ~い!

    ◆翻訳サイトの結果訳文 → それを前方に支払ってください。

    やはり、日本語になっていないですね~、翻訳サイト君…。
    フォローする言葉も出てこない…。


  ⇒ では、気をとりなおして、今日のタイトルの真実に迫ります!

    12歳のトレバー(Trevor)君が、社会科の授業で思いついた、
    善行のチェーンメールみたいな呼びかけのことを指していて、
    親切を受けたら、それに対する報いを、その相手に返さずに、
    別の3人に渡し、その3人も、それぞれ別の3人に渡すこと、
    それが、「Pay It Forward」です。
    §引用(ペーパーバック裏表紙の文章より)

Twelve-year-old Trevor McKinney began to change the world
for the better] by doing something good for three people.
But instead of paying him back, he asked them to "pay it
forward" by doing a favor for three more people,
who in turn would help three others, and so on,
each act a link in a chain of human kindness. (下線:福光潤)

    「pay」が使われている2つの表現だけで要約すると、
    「paying him back」の代わりに、「pay it forward」せよ!
    まず、「paying him back」の「him」は「親切をくれた人」で、
    『ランダムハウス英語辞典』の4番目の定義をあてはめてると、
    「親切な行いをしてくれた人に対して報いること」となります。
    「pay 人 back for 事」=「人がしてくれた事に対して報いる
    ここでは、「paying him back for the "something good"」です。

    2つ目の表現は、タイトルの「pay it forward」です。
    「it」は、「something good」=「a favor」=「親切な行為」。
    「forward」は、上の翻訳サイト君の言うとおり、「前方へ」。
    時間的・空間的な前方であり、「次の代へ」という感じです。

    ネットワークビジネスだと、ピラミッド型なので、
    「下の代へ(downward)」となりそうですが、
    ここでは、今日受けた親切を、明日別の人へ渡すわけです。
    「明日」が時間的な前方、「別の人へ」が空間的な前方。
    ちなみに、Eメール転送の動作は、「forward」1語で表せます。

    なので、ここの「pay」は、「報いる」ではなく、単に「与える」。
    Aさんから受けた恩に対して、Bさんに報いるのは、変ですよね。
    『ランダムハウス英語辞典』の5番目の定義にあてはまります。
    「pay honor to 人(敬意を人に払う)」のタイプです。

    まとめると、Aさんに報いる代わりに、B・C・Dさんに親切を!
    うまく連鎖すると、すぐに世界の人々へ、親切の輪が広がります!


  ⇒ 「pay it forward」は、この作品で作られた表現でありながらも、
    「pay」と「forward」の正しい語感を持っているネイティブなら、
    パッと聞いて理解できる表現なんですが、日本人には難しすぎる!
    でも、この映画を理解することで、このタイトルが理解できます。


  ⇒ 【追記】
    “恩送り”という日本語があることを、図解思考塾のつねさんに、
    教えていただいたので、上記意味欄に“恩送り”を追加しました。
    ありがとうございます!


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ヒラメキ例文

You can also pay it backward--by helping other people before someone does something good for you.

「ペイ・バックワード」もいいんじゃないかな。誰かに親切にされる前に、まわりの人たちを助けてあげるとか。

英題の発音へ 視聴ヘルプ 発音ヘルプ



参考外部サイト

※禁断の英文法怪説 by 福光 ⇒

動詞+代名詞(目的格)+副詞
V+O(動詞始まりなので命令文ですが、全体で親切運動を指す名詞句ともとらえられます)

※文法アレルギーの方の目に付かぬよう、コソコソ解説しています(^^;)



コメント(2件)

福光潤 — 2006年 07月 29日, 16:30

このタイトルをメルマガで取り上げたとき、T.M.さんよりメールをいただきました。

> It="変化するためのチャンス"なのかと、機内で見て泣いた覚えがあります。

「"chance to change"というベタな解釈」と補足がありましたが、まさに「変化するためのチャンスを、次の代へ渡す」ことですね! これで、なぜ「可能の王国」なのか? という疑問も解けたと思います。(「可能」は、英語で「chance」です)
T.M.さん、あらためてお便りありがとうございました!

福光潤 — 2007年 10月 25日, 11:40

“恩送り”という日本語の存在を、たった今、知りました! 図解思考塾のつねさんに教えていただきました。コラムの【追記】をご覧ください。

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